#295 スマートフォンと遊ぶ(通信編)

2009/03/31

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 アドエスでは、メールのやりとりのほか、Webの閲覧もできる。と言ってもこれも最近の携帯電話ではむしろついてないほうが珍しいくらいのものであり、自慢にも何にもならないが。

 アドエスの場合、インターネットに接続するには、ダイヤルアップによる接続のほか、無線LANへの接続機能もついている。当然ながら、通信速度も前者より後者の方が圧倒的に早く、無線LANが接続できるところでは快適にWeb閲覧ができるし、ダイヤルアップと違って接続料も不要なのがありがたい。

 無線LANへの接続がどんな具合なのか実験してみるべく、職場の近くのホテルのロビーへ行ってみた。ここではFREESPOTという無料で利用できる無線LAN環境を提供しており、対応機器を持っていけば誰でも接続可能である。

 Webの閲覧のために、アドエスにはInternetExplorerとOperaのWindowsMobile版があらかじめインストールされている。前者の方は起動は早いようだが、後者の方が対応しているWebページは多いようである。インストラクションに従って操作してみると、意外とあっさり閲覧することができた。

 基本的にはアドエスのブラウザは所謂「フルブラウザ」なので、携帯用のサイトは見ることができない場合もある。しかし横幅が800ドットあるディスプレイなので、横画面にすれば通常のPCサイトを見ても、レイアウトも崩れずPCと同じ感覚で閲覧することができる。さすがに文字が細かいので、あまり長時間見ていると目がつらくなってくるが。

 実際に無線LANを使用すると、接続している時はもちろん、接続していない時も基地局捜索などで余計な電力を使うので、電池の消費が早くなるとのことである。普段無線LANを使うあてがない時は、無線LAN接続の機能をOFFにし、使う時だけこれをONにする。また、長時間使う場合には、アダプタを接続して使用するというのが良いようである。

 無線LANが自由に使えて電源も確保できるという状況というのはあまりないが、たとえばホテルの部屋とか国際会議の会場とか、そういうところは条件を満たす。昨年9月にパリに出張に行った時は、会議場以外にも無線LANを使える場所が多く、アドエスを使った無線LAN通信を十分活用できた。

 また、Web以外にも、アドエスで使えるftpクライアントなどもあり、インストールすることで、出先からでもWebsiteの更新などに利用することができる。こちらも、今年2月にサモアに行った時に、劇団のページを更新する必要に迫られて、テキストエディタでHTMLを編集し、必要なファイルを更新した。まさかサモアからアドエスでWebsiteの更新ができるとは思わなかった。

 無線LANではないが、アドエスのPHS通信網を利用して、自分の現在位置を示してくれる「W-ZERO3 monitor」というソフトもある。起動すると、現在位置の電波強度のほか、最寄りの基地局情報から割り出した現在いる地点の緯度経度を表示してくれる。郵便番号データと対照して、現在いる地点の住所もかなりの精度で表示してくれる。先日長野にスキーに行ったときは、中央道を進むにつれて、現在位置が刻々と変化していく様子がわかり、非常におもしろかった。しょっちゅう通信をするせいか、ずっと起動していると電池の減りが早いので、困るのだが。

 余談になるが、アドエスのもう一ついいところは、PHS機能(SIMカード)と無線LANの機能を、それぞれ独立して有効/無効に設定できるところである。たとえば飛行機の中や海外出張中など、PHSの電波が届かないとわかっているところであれば、PHSの機能を無効にすることで、余計な電力を消費せず、単なる携帯端末もしくは無線LAN端末としてアドエスを使うことができる。

 こんな具合で、PHSが使えない環境でも、パソコンに匹敵する機能を持つ通信端末として大いに活躍しているアドエスである。


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