#285 中古の小型電子辞書を購入

2008/06/24

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 外回りの仕事が早く終わったある日、秋葉原の中古屋を徘徊していたら、セイコーインスツルメント(以下SII)の中古の小型電子辞書が目に入った。9280円。

 以前に電子辞書ならぬ、英英辞書の入った多言語翻訳機を買って愛用しているという話をしたが、買って1年ほどを経過したこの翻訳機は、特定のキーの反応が鈍くなってきたかと思いきや、その後みるみるうちに調子が悪くなり、とうとう電源も入らない状態になってしまった。もともと安価なだけあって、筐体はプラスチック製だったりするなど、堅牢性にはちょっと不安があったことも事実である。

 この故障した他言語翻訳機については、折しも収録語数が拡張された新機種が販売されたところのようで、保障期間も過ぎていることだし、有償修理をするのなら新しいのを買った方がいいかもと思わせるところもある。しかし結局のところ一番使うのが他言語翻訳機能ではなく英英辞書機能であるのならば、表示文字数も多くジャンプ機能やスペルチェック機能や履歴機能などのついた電子辞書を買った方がいいかとも思うし、よしんば新機種を買ったとしても、筐体は旧機種と同じもののようなので、また1年ほどで壊れるかも知れないと思うと、新機種を買うのも躊躇してしまう。

 これに替わる小型の英英辞書つき電子辞書ということでいえば、折しもSIIから、英語系辞書が充実したコンパクト機が新しく出たところであった。重量も145gと、以前使っていた他言語翻訳機に比肩する軽さであるし、画面もこの大きさでVGAサイズであるから表示文字数は申し分ない。ただし、軽さを実現するために充電式になっているのがちょっと気になる。

 だいたい、使っていたものが壊れてしまったというのは、修理するにせよ買い換えるにせよ余計な出費には違いなく、そのために少なくとも2〜3万円も出費するのは悔しいし惜しいという気持ちが働いてしまう。そう考え始めると、そもそも使用頻度的に言ったら、デジカメなんかはほぼ毎日使っているのに近頃は電子辞書より安く買えるのだから、電子辞書というのはあまり投資対効果のない買い物なのではないか、実は無くても困らないモノではないか、という気までしてくる。

 それに英英辞書が欲しいというだけであれば、実は紙の辞書であればブックオフあたりを探すと100円で売っていたりするものである。そんなわけで、愛用していた翻訳機を失った私は、気がつくと古本屋で2〜3冊ほど紙の英英辞書を買っていた。いくら安いからと言っても辞書なんてものは何冊もあっても仕方がないだろうに。こうなると一種の病気なのではないかと思ってしまう。

 そんなわけで、新しい英英電子辞書を買おうかどうしようかと悩んでいた矢先に、冒頭の電子辞書が中古で売られているのを見かけたのである。マニュアルも外箱もなかったし、蓋にも少々傷があったのだが、これも何かの縁と、ほぼ即断で買ってしまったのであった。

 買った後で仔細に調べてみたところ、この電子辞書(SR-M7000)は、最近SIIから発売された英語モデルのコンパクト機(SR-G7000M)の2世代前の機種のようで、英英辞書のラインナップは版が多少古いことを除けばほぼ同じ(OALD、COD、COT、COL)、英和も現機種と同様にジーニアス大辞典とリーダーズ大辞典+リーダースプラスがついている。現機種と比べて、英和活用大辞典やブリタニカ百科事典がなかったり、和英や国語辞典に相違はあるが、重さは現機種よりもむしろ軽く(135グラム)しかも乾電池で動く。もちろんスペルチェック機能やジャンプ機能やヒストリー機能もついており、表示文字数も変更可能なので、辞書としての使い勝手は先代の翻訳機よりはるかに良い

 そもそも現行の小型英語モデル電子辞書(SR-G7000M)からして、SIIの技術者が、自分たちの海外出張の経験から、高機能化・大型化した電子辞書ではなく、持ち歩きに便利な新しい電子辞書を企画して生まれたものだが、その際に参考にしたのがこのSR-M7000だったとのことである。モバイル機器は持ち運びに苦にならない小ささ軽さであることが購入の第一条件と常々考えている私にとっては、理想にかなった電子辞書であり、思いがけずいい買い物ができたと思っている。

 そんなわけで、この電子辞書がすっかり気にいった私は、買った翌日にはこの電子辞書がぴったり収まるサイズの腰巻ケースまで購入し、肌身離さず持ち歩いているところである。やはり言葉というのは疑問に思った時にすぐ調べられてナンボである。今後英語学習のパートナーとして手放せない存在になりそうだ。


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