#283 妻の携帯を選ぶ

2008/04/30

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 今や携帯電話やPHSなどの移動体電話の契約数は1億を超えており持っていない人の方が珍しいというくらいのものであるが、私の妻は先日まで、その「珍しい」方の人であった。それが、子供が幼稚園に通うようになり、緊急の際には幼稚園からの連絡を受けなくてはいけないからという理由で、携帯かPHSを持ちたいという話になり、私が適当にキャリアや機種を選ぶことになった。

 理由がそういった受動的なものであるから、とりあえずのところは通話やメールやWeb閲覧などを頻繁にやることもないだろうということで、選択の一番のポイントはともかく基本料金が安いことということになるだろう。ということになると、最近はホワイトプランなど基本料金の安さを売りにしているSoftbankなどが候補に挙がってきそうなところであるが「Softbankは個人情報の漏洩などがあったりしたので嫌だ」という妻の意見もあり、候補からはずれることになった。

 とりあえず幼稚園が始まる4月までには決めなくてはならないと思いつつ、あれこれ考えていたところ、PHSなので低電磁波で体に優しいことを売りにしているWILLCOMの広告が妻の目に止まり、これにしようということになった。

 となるとあとは機種選びということになる。WILLCOMの目玉商品は、一世を風靡したW-ZERO3と言ったPDA機能を持った多機能電話(スマートフォン)なのだが、そういうものが好みな私の場合はともかくとして、上でも述べたように理由が受動的なものであるので、もとよりそんな多機能なものは妻には必要なさそうなので、単純に、女性が持っていておかしくなさそうなデザインのものを選ぶことにした。

 以前は、携帯やPHSについては販売奨励金を原資にした端末の値引き合戦が盛んで、端末自体は1円で手に入るようなこともあったりした一方で、基本料金や通話料が高止まりになっていたという状況だったのだが、携帯電話の市場がこれだけ成熟・飽和した今では、こういったビジネスモデルはいつまでも続けられないということになり、現在は端末の割賦販売というものが主流になりつつある。

 導入の仕方はさまざまなのだが、WILLCOMの場合、端末を2年間使用することを条件に、割賦による支払金額と同額もしくはそれに近い額の割引をするというプラン「W-VALUE割引」というものをやっている。

 端末代を一括で支払うとなるとやはり相当な負担であるし、割賦販売の場合は2年間使いつづければ端末については実際の支払額はタダになるということなので、端末については「W-VALUE割引」で購入することにする。料金プランについては「安心だフォン(月額1029円)」という、通話先を3ヶ所に限定するプランが最も基本料金が安くなるのだが、さすがに通話先が3ヶ所に限定されてしまうのは不便なので、特にそういった制限がないプランの中で最も基本料金が安くなる「昼得コース(2079円)」というのを選ぶ。

 さて、そうこうしてようやく手に入れたPHSなのであるが、こういったものを持ち慣れていなかった妻は、最初のうちはそもそも「携帯する」という気持ちが薄いらしく、つい家に置いてくるということが多かったりした。そのうちに友達などにPHSを持ったことを知らせるようになると「電話番号教えて」「メールアドレス教えて」ということになり、ぼつぼつと利用するようになってきた。電話はともかく、メールの方は時と場所を選ばない便利さからか、ほどなく頻繁に来るようになり、メールが着信するたびに慣れないキー操作で返事を書いて送っているようである。携帯やPHSというものは、何だかんだ言ってこんな具合にだんだんと手放せない存在になっていくわけである。


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