#278 同期会の幹事をやる(不明者捜索編)

2007/11/03

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 そんなわけで、同期会をやるにあたり、案内状を印刷し300人近くに送ったが、まだ行方不明者が80人近くもいるというのが前回の話。今回は、この行方不明者をどうやって捜索しようかという話である。

 私が卒業した頃は、個人情報保護法なるものもまだ無く、同級生の住所や氏名や電話番号が卒業アルバムに記載されてもいた。今から考えるとかなり牧歌的な時代だったと言える。昨今は、現役の学生でさえも、クラスの連絡表が作られなかったりして、緊急の連絡の際に往生するという話も聞く。

 卒業アルバムに記載の住所に本人が今でも住んでいるというケースはあまりないと思われるが、卒業当時は親元から通っていた人が多かったから、その住所には今でも父母が居住されているという可能性は充分高い。というわけで、まずは昔の連絡先の電話番号に電話をかけてみる。

 結果的に、過半のケースで実家の方に繋がることは繋がった。しかし「○○高校で一緒だった●●ですけど…」と言って話を持っていっても、まず最初は警戒されてしまう。残念ながら私も現役時代に必ずしも本人ましてその親御さんと面識のある人ばかりではなく、普段かけてこない相手がこんな具合に話を持ってくると、まず最初に何らかの商売や詐欺を連想させるもののようである。

 まだしも10年前であればそんなことはなかった。実家の方に丁寧に話をし、趣旨を理解してもらえれば、本人の連絡先を教えてくれることが多かった。しかしそんな牧歌的な時代は遠い昔。一通り話をしても、すんなりとそのような個人情報を教えてくれるような雰囲気でないことが多い。

 仕方がないのでこちらとしては「…というわけなので、同期会の件について、これから言う連絡先に連絡してくれるよう、本人にお伝え願えませんでしょうか」というのが精一杯であった。で、実際に本人から連絡がちゃんと来るケースはかなり稀である。

 電話が奏功しないのであれば、今はメールの時代。ちゃんと案内状をお送りできた人には、出欠を連絡してもらうための返信ハガキを入れておいたのであるが、このハガキには、メールアドレスを書く欄を設けておいた。これにより、ぼつぼつと戻ってくる返信ハガキに書かれたメールアドレスで、出席予定者に「この中で誰か連絡先のわかる人はいませんか」という趣旨のメールを送って情報を募る。これはそれなりに効果的で、卒業後も個人的な繋がりのある人のメールアドレスを教えてくれたり、個人的に連絡してくれて、本人からこちらに問合せが戻る、というケースがそれなりにあった。更にその人に連絡すると、また別の行方不明者の情報がわかるというように、芋づる式に連絡先がわかったこともあった。本人に連絡がつけば、住所を聞いて、早速正式な案内状を送る。

 ただ、返信ハガキの集まり具合も、最初のうちはあまり芳しくなく(出席できるかどうか、予定が決まるまでぎりぎりまで様子を伺う人が多いのだろう)、結局このメールづての情報収集が機能しはじめたのは、同期会当日にかなり近づいてからであった。

 そのほか「ゆびとま」というWeb上の同窓会ページなどで、実際の同期のグループをみつけてそこで広報したり、「mixi」内の同期のコミュニティで広報したりということもしてみた。が、前者はかなり昔に作られたもので今や開店休業状態のようだし、後者もあまりアクティブな様子でもなく、あまり効果はなかったかも知れない。オープンな形でWebページを作ることも考えたが、会の詳細などをあまりオープンにしない方がいいかも知れないと考え、結局それも行わなかった。

 結局、行方不明者のうち何らかの連絡がついたのは半分ほどで、最後までこちらから直接連絡がつかなかった人が50人くらい残ってしまった。まあやるだけのことはやってみた結果なので、ある程度仕方がないとは思う。あとは出席してくれた人が満足するような会を演出することに力を注ごう。


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