#258 ポイントカードを賢く使う(その2)

2006/04/29

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 さて、このようなポイントカードについて、ポイントを貯めてから一気に使う方が得なのか、その都度ポイントを使う方が得なのかという議論がある。簡単な例で計算してみよう。

 使ったポイントの額を減じた現金支払い分の10%がポイントとして還元されるという一般的なケースにおいて、あらかじめポイント残高が1,000ポイントある状態から、11,000円の商品を11回買うことを考えてみる。

 結局ポイントは貯めてから使おうがその都度使おうが、全体として得する金額に変わりは無い。もちろん上で挙げたケースは端数が出ないように理想化したケースであり、実際のケースではポイント計算の際に端数切り上げ切り捨てなどがあって多少は違いが出るかも知れないが、それも高々1円2円のことである。

 従って、どのようにポイントを使って買い物しようと構わないのだが、私の場合は、買い物のたびに、貯まっているポイントをなるべく全部使うようにし、あまりポイントを貯めないようにしている。ポイントをたくさん貯めてから、あるとき大きな買い物をタダでする方が、得した気分が味わえるかも知れないが、上で述べたように実際に得する金額はトータルで変わらないのだし、むしろポイントを使わないうちに最寄の店舗がなくなったり、自分が引っ越したり、ポイントの有効期限が切れたり、店側がある日突然ポイント制度を廃止したりして、ポイントを使う機会を永久に失うような危険性を考えたら、矢鱈にポイントを貯めておくのは得策とは言えないからである。

 ただし、実際のポイント還元率というものは、時期や商品により異なる場合もある。そうした場合は若干戦略が変わってくる。例えば既に10,000ポイント持っている場合に、価格が10,000円で還元率20%の商品Aと、同じく5%の商品Bを買う場合、Aをポイントで、Bを現金で買うと、還元されるポイントは500ポイントだが、Bをポイントで、Aを現金で買うと、還元されるポイントは2,000ポイントになる。従って、ポイント還元率が通常以下の商品は、積極的にポイントを使って購入し、通常よりポイント還元率が高い商品は、なるべく現金のみで購入してポイントを稼ぐのが、トータルで見るとお得である。

 また、錯覚しやすいのだが、ポイント還元率と割引率は等価では無い。仮に20,000円の商品が25%ポイント(5,000ポイント)還元としよう。この場合、還元されたポイントで更に5,000円の買い物ができるが、トータルで見ると、25,000円分の商品が20,000円で買えたということである。この場合の割引率は (25,000−20,000)/25,000=20%である。20,000円の商品が5,000円引きであれば、割引率は(20,000−15,000)/20,000=25%割引になる。この傾向は、ポイント還元率が高い場合、より差が大きくなる。よって、ポイント還元分の金額を差し引いて同額になるのならば、最初からその金額を割り引いた店で買った方が得になる。(つづく)


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