#252 書類のデジタル化

2005/12/31

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 オフィスに溢れるモノのうちもっとも多いのが、紙書類とそれを綴じたファイルであろう。官公庁で使用する用紙をB5からA4にしてからは、紙の大きさも1.3倍ほどになって、ますます占有容積が大きくなっている。

 例えば会議などでは、回を重ねるたびに同じような書類がリバイスされつつ毎回全員に配られる。とりあえずその仕事が動いている間は、過去の資料も捨てられなくて、とりあえずあまり考えずに関連する資料を一切合財綴じていく。また仕事が終わってからも、あとで必要になるかも知れないからと、ファイルのままいつまでも保管する。そのうちに担当がかわったりすると、過去の資料は必要なものかどうか判断できなくなり、やがて誰も手がつけられない「聖域」となっていつまでもそこに残ることになる。

 書いていて嫌になるくらいだが、このように紙資料というものは、無自覚でいるとどんどんと溜まる一方である。この傾向は、部屋の引越しや模様替えなどの機会が無い限り、改善されることはまずない。

 少し前に流行った「超整理法」というものは、時間順にともかく紙資料を一まとまりにして1つの棚にほおりこみ、一定期間見ることのない古い資料を、定期的に捨てるという方法だが、この方法にしても「捨てる」という行為を積極的に行わない限り、資料は限りあるスペースをどんどん埋めていく一方である。

 そんなわけで、紙資料に関しては、より積極的に「捨てる」ことを実践しなくてはならない。具体的には、

という具合にしたいところである。

 そして、嵩張るけれどもオリジナルの電子ファイルもなく、滅多に見ないけど捨てるわけにはいかない資料については、最後の手段として、これをスキャンして電子化し保存するという手もある。最近ではスキャナ機能を持つコピー機あるので、コピーするのと同じ手間と速度で紙書類を電子化することができる。

 白黒印刷された紙書類をスキャンして保存する場合は、TIFFフォーマットで、所謂ファックスと同じ圧縮方式のCCITT Fax4で保存すると、200bpsで読み込んでも、A4の紙1枚あたり40kbyte程度で保存できるようである。1000枚綴じたファイル1冊分でも40Mbyte、そのファイルが1000冊あっても40Gbyte、DVDで保存しても10枚程度だし、HDDにほおりこんでおけば、1000冊分のファイル情報がすっぽり1台のPCに収まり、いつでも簡単に閲覧することができるわけである。実際には、保険のためにとっておくだけで、一度も参照しないということも往々にしてあるわけだが。

 そんなわけで、物理的なモノを少しでも減らすべく、先の写真のデジタル化と同様、とりあえず捨てるわけにはいかない古い紙資料を片っ端からスキャンしている。こちらの方は紙送りも自動でされるので、写真に比べれば比較的高速にデジタル化できるのだけど、電子化できたのは今のところせいぜい5000枚、つまりファイル5冊分で、容量にして200Mbyte程度。まだCD1枚分にもならない。要らない資料を束ねて古紙回収に出すという、5分で済む手間に比べると、やはり相当に大変な作業ではある。モノをあえて電子化して保存するというのも、それはそれで大変な作業である


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