#251 銀塩写真のデジタル化

2005/11/24

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 意を決して自宅や職場の不要(であろう)ものを片っ端から捨て始めたところであるが、そのまま捨てるに忍びない紙記録というものはかなりある。

 中でも結構な量になるのは銀塩写真の類である。整理が面倒なのでポケットアルバムなるスライドインのアルバムに入れているだけの写真であるが、自宅にはそれらが本棚1列を占拠しているし、最終的に段ボール2つにまとめた昔の職場時代の荷物についても、その半分が写真類だったりする。

 だが今となってはこのような写真は時々見返して懐かしむ以上の意味はあまりない。いっそ捨ててもいいのだが、そのまま捨てたのではわざわざ記録していた意味そのものがなくなってしまうので、それも惜しい。

 これら銀塩写真は、ネガさえあれば最近はPhotoCDの形に現像してくれるサービスもある。しかし現状の相場では、フィルム1本につき500円ほどするらしく、今あるフィルム全部CD化すると数万円になってしまう。これはなかなか大きな出費だし、そこまでして取っておきたいわけでもないし、第一ネガが紛失しているものについてはどうにもならない。

 ならば自分でネガなり写真なりをスキャナで取るかというと、確かにそういうことのできるスキャナもあるにはあるが、1枚1枚セットしてスキャンして交換してという作業をしていたのでは時間がいくらあっても足りない。

 というわけで、なるべく安上がりで簡単にデジタル化する方法をいろいろ考えた結果、非常に安直であるが、プリント写真そのものをデジカメで接写して撮り直す、という方法を取ることにした。

 最近買い換えたデジカメは500万画素あり、マクロ撮影にも比較的強い。そこで、小型の三脚でデジタルカメラを下向きに固定し、光のムラが無いように位置を調整した後に、下にプリント写真を置いて、なるべく画角いっぱいにプリント面が入るように距離やズームを調節して、次々に撮影していく。ストロボは使わず、手ぶれをおさえるためセルフタイマーを使って撮るのがコツ。

 ちなみに私のデジカメには2秒セルフタイマーというのがある。普通のセルフタイマーだとシャッターを切るまで10秒程度待つことになるが、2秒だと手を離してすぐ撮影するという間隔なので、こういう用途には非常に役立っている。

 こうして撮影したものは、さすがに「写真を撮影したもの」というのがわかってしまうが、かなり細かいところまで記録できているので、単なる「記録」という意味であればこれで十分である。こうしてデジタルカメラで撮影した後、オリジナルの方は潔く捨ててしまう

 記録した画像ファイルは時期ごとに分類して整理しておく。私の場合、子供の頃から何度も転居をしている関係で、住んでいた場所で分類するといつ頃の写真かがだいたい分かるようになっている。かなり昔の写真からデジカメに切り替える直前の写真まで、パソコンの中から必要なものを瞬時に取り出せるので、紙のプリントでとっておくよりはるかに便利である。

 もとの写真がアルバムに整理されていて、キャプションがついているようなものは、アルバムに整理されている状態で全体を撮影(キャプションが読める程度には十分な解像度がある)したあと、個別に写真を撮って、最後にはアルバムごと捨ててしまう。

 なお、ネガについてはさほど嵩張らないので、今のところまだ保存してあるが、この先焼き増ししたりCD化したりするつもりもなければ、これもあるとき思い切って処分してしまうかも知れない。

 今のところそうやって撮影した写真は、段ボール箱1つ分のアルバム、写真の枚数にして約3000枚ほどであるが、それでもDVD1枚分である。ある程度情報量を落としてしまっているとは言え、これは相当なスペース圧縮効果である。ただ、比較的簡便な方法とは言っても、かなり根気よくやって1時間あたり400枚撮影するのがやっとなので、手間を惜しむ人は、やはり店頭のサービスでお金を払ってCD化してもらった方が結局楽で早いかも知れない。


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