#242 ボイスレコーダを買おうとしたけど

2005/03/11

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 政治家やタレントへの街頭取材の様子をテレビで見ることがよくあるが、昔であれば対象にマイクを向けていたものが、最近はマイクのかわりにボイスレコーダを向けるようになっている。磁気テープなどの特別なメディアを使わず、小さく軽く、長時間の音声記録が可能ということで、こういった取材現場では非常に重宝される存在になっている。

 前回、議事録取りの話をしたが、記録としてテキストに残す議事録はそれで良いとしても、やはり究極的には、議事や打合わせの内容を音声で残しておいた方がいろんな意味で確実だし安全である。会議や取材の発言については、後で言った言わないということが時として問題になることもあり、そういう時に音声メモという動かぬ証拠があれば、場合によってはあなたの立場を救うことになるかも知れない。

 そういった仕事での使用法以外にも、例えば何かいいアイデアを思いついたときや、ちょっと記録しておきたい文字情報があったとき、ボイスレコーダを使えば声を録音することで簡単かつスマートに記録を残すことができる。

 そういう感じでボイスレコーダというもの、使いこなせばかなり便利なデバイスなのかも知れないが、今のところ自分では所有していなかった。理由としては「仕事で主に使うことになるかも知れないものを身銭を切って買うのはなんとなく癪だ」というドケチ根性が働いたというのも大きいのだが、どこの製品も似たり寄ったりな外見であまり所有欲をそそられないというのもある。

 世間に出回っているボイスレコーダのデザインを一言で言えば、昔のストレートタイプの携帯電話を小さめにしたようなものと言えばいいだろうか。いかにも「録音装置です」という感じのデザインであるし、色のバリエーションもほとんどない。マイクが衣服にあたってノイズを拾わないよう、基本的には着用せず表に出して使用するものなので、むしろ手のひらに乗りやすい形状ということで、結局どれもこのような形になるのかも知れない。

 そういった一方で、少数派ながら独自のフォルムを持っているボイスレコーダというのもいくつか存在する。PanasonicのSlim Voiceシリーズなどはペン型のフォルムをしているし、東芝のVOICE BAR DMR-P1などはカード型である。重さも50g以下と一般的なボイスレコーダに比べるとコンパクトである。特に後者などは胸ポケットに入れたり手帳に挟んでおいたりすることもできるので、あからさまに録音しているのを見せたくないような場面にも使えそうだ。いや、別に隠し録りしたいという目的があるわけではないが。

 そんなわけで、後者の製品がAmazonで1万円以下で出ていたのをいいことに勇躍注文したのだが、注文した翌日にこんなことも思ったりした。どうせだったら、普段使っているMP3プレーヤをボイスレコーダつきのものにすれば、同じようなデバイスを2つ持つ必要もなくていいのではないか、と。

 あわてて注文をキャンセルしようとした時はすでに遅く、深夜1時ごろWebで注文した商品は、その日の昼過ぎには発送作業に入ったとメールで連絡があり、仕事から帰ったらすでに自宅に届いていた。恐るべしAmazon。早く届けてくれるのはありがたいが、今度ばかりはちょっと困惑してしまった。

 幸いAmazonには、エレクトロニクス機器でも未開封で到着8日以内であれば返品に応じるとのことなので、届いたばかりの商品をまた宅配便で送り返してもらった。その際の送料640円だけは無駄になってしまったが、まあ自己都合なので仕方が無い。

 というわけで、今度は多機能MP3プレーヤにターゲットをしぼってあれこれ物色することになった(続く)


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