#240 ノートパソコンのバッテリ再生

2005/01/12

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 ノートパソコン・デジタルカメラ・携帯電話など、モバイル機器にとっての生命線となるのがバッテリである。商用電源を繋いでいない状況でどのくらいの時間作動しつづけるかというのは、これらの機器の性能を測る上で欠かすことの出来ない尺度である。

 現在、モバイル機器のバッテリとして最も多く使用されているのはリチウムイオン電池であろう。それまでのニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池などに比べると、軽量で大容量であることに加え、有害金属を使わず、繰り返し使うことによるメモリ効果というものがないなど、非常に優れているものである。

 それでも、長期間使用しバッテリの充電と放電を繰り返していると、使い始めの頃に比べバッテリの容量が徐々に減ってくることは避けられない。他の部品と違い、基本的にバッテリは消耗品であり、中古で購入する場合でも、バッテリの性能低下は初期不良の対象にはならないとされている。そう言えば私の場合、携帯電話を買い換えるきっかけは、たいていの場合バッテリの持ちが悪くなってくるのが直接の原因だったりした。

 私が秋葉原で2年前の暮れに2万円という格安で購入したノートパソコン(一度は親父に売ったのだが、その後飽きたというので売値で買い戻した)でも、重さ1kg程度であり、一世代前のOSを入れれば、メールやWebブラウズなどの用には十分使えるため、なかなかお得な買い物と思っていたのだが、いかんせんバッテリが弱りきっており、満充電してもACをはずせば10分程度でへばってしまうような状況であった。これだとほとんど持ち歩いて使う用には使えず、モバイルパソコンとしての魅力が半減してしまっていた。

 とりあえず使えるバッテリがどこかで投げ売りされていないか探してみたりもしたが、そうそう都合よく売っているわけもないし、たとえあったとしても、新品同様の性能は望むべくもない。ちなみに、メーカーで別売しているバッテリは15000円近くするそうで、2万円で買ったノートパソコンにそこまで追加投資するのもどうかとも思う。

 そんな折、Webで検索してみたら、このようなノートパソコン用のバッテリを再生するサービスがあることを知った。リチウムイオンバッテリは、内部にセルと呼ばれるバッテリをいくつか組み合わせたものに、若干の回路とヒューズを入れて作られているのだが、このセルを新品に交換してくれるというものである。しかも、そのパソコンが作られた当時のセルではなく、最新のセルに交換するため、再生すればもともとの規格以上の容量を持つことが可能になるという。値段も1万円以下と、純正品を買いなおすよりはるかに安い。手数料不要の代引きサービスも行っているということなので、半分だまされたつもりで、このサービスを利用することにした。

 手順としては、Webのフォームから必要な情報を入力して申し込んだあと、申し込みの内容を印刷した紙を、古いバッテリとともに指定の宛先に送付する(送料は自己負担だが、壊れないと自分が思う方法であればどんな方法でも可)。バッテリの到着はメールで連絡があり、2週間ほどしてから、再生されたバッテリが代引きの宅配便で届いた。実に簡単である。

 早速、再生されたバッテリをフル充電にして連続使用したところ、3時間ほど駆動した。メーカー公称の駆動時間が2時間程度なので、確かにもともとの容量以上になっている。これだけ持てばとりあえず立派にモバイルパソコンとして使えそうである。なお、リチウムイオンバッテリは、パソコンがACに繋がっている環境では、なるべく本体から取り外して冷暗所に保存しておくのが良いとされている。

 バッテリのみがへばって使えなくなったノートパソコンをお持ちの方は、是非このサービスを利用してみてはいかがだろうか。もっとも、世の中ではバッテリがへばる前に手放されるノートパソコンの方が圧倒的に多いような気もするが。  


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