#217 ビデオカードを増設(前編)

2003/03/10

<前目次次>


 購入後1年余りで早くもあちこちを交換・増設し、姿こそ変わっていないものの中身の方はもはやオリジナルの部品はほとんど残っていない私のデスクトップパソコンであるが、このたび思い立って、更にビデオカードを増設することにした。

 ビデオカードとはデスクトップパソコンのパーツの一つであり、画像表示制御を担当する部品である。画面の高画素化や3Dグラフィックスの普及に伴い、パソコンでの画面表示についても高速・高解像度の表示が求められるようになってきたが、これらを担当する独立したハードウェアが一般にビデオカードと呼ばれている。グラフィックアクセラレータとか、グラフィックボード/カードなどと呼ばれたりもして、意味するところは微妙に違うのかも知れないが、たいていは同じものを指しているものと思えばいい。

 音楽再生など一部の用途を除けば、ビジネスソフトであれゲームであれ、パソコンからの情報というものはそのほとんどが画面表示によるものであるから、パソコンにとっては必須な部品のように思えるビデオカードであるが、廉価なパソコンの場合は、オンボードビデオメモリと言ってマザーボードがその機能を含んでいるものもある。私のパソコンもそのタイプで、だからして今までは独立したビデオカードがついていなかったのである。

 パソコンの画面表示は、つまるところドットの集まりで表現されるものである。一つ一つのドットは、基本的にはRGB、つまり赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の光の加減でもって色を表現している。RGBのそれぞれが4bit、つまり2の4乗=16階調の表現ができれば、RGBの3つで16の3乗、つまり4096種類の色を表現できるわけであり、この場合は12bitカラーと呼ばれる。24bitであればRGBそれぞれが8bit=256階調持っているわけで、計算すると、えーと2の24乗で約16777216色表示可能ということになる。

 一方画面のサイズだが、Windows以前に長らく使われていたVGAという規格が640×480ドットという広さで、307200ドットということになる。Windowsの普及に従い、より多くの情報量を表示できるディスプレイが求められるようになり、SVGA(800×600=480000)、XGA(1024×768=786432)、SXGA(1280×1024=1310720)、UXGA(1600×1200=1920000)、QXGA(2048×1536=3145728)といった具合に、より広い(高解像度の)画面表示が可能となる規格が出てきた。

 つまり、より多階調でより高解像度の画面表示を求めるほど、画面表示のためのメモリも多く必要になってくるわけだ。QVGAの32bitカラーということにもなれば、3145728個のドットそれぞれに32bitつまり4byteのメモリが必要ということになり、都合約12Mbyteものメモリが必要ということになる。更に3D表示になると、Zバッファという3次元方向の画像制御のためのメモリも必要になり、更に多くのメモリが必要になり、またこれらを高速に処理するための独立したプロセッサも必要になってくる。これを司るのがビデオカードということになる。

 ビデオメモリがオンボードのタイプのマザーボードの場合、この辺が能力的にしょぼい場合が多く、例えば私のデスクトップパソコンのマザーボードの場合、4Mbyteしかビデオメモリが使えない。これでは3D表示どころか、2D表示でも限界が出てきてしまう。高解像度で表示しようとすると、メモリが足らず、色数が限られてしまうわけである。また、3D表示を頻繁に使うようなゲームなどの場合は、画像処理の能力が低いと、動画がコマ落ちした状態になり、スピード感のある表示が楽しめないことになる。

 そういった次第で、まあ「映ればいい」くらいのレベルであれば別にオンボードだろうが4Mbyteのメモリだろうが問題無いのであるが、より広い画面、より滑らかな3D表示といったものを追求すると、ビデオカードの性能というものは極めて重要になってくるわけである(続く)。


<前目次次>