#216 3代目デジカメはあの機種

2003/02/25

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 とまあ思わせぶりに引っ張っておきながら答えがなんとなく見え見えの次期デジカメ選択だが、結果的に選んだのはExilimのS1(130万画素・MP3機能なし・シリーズ中最安機種)であった。決め手となったのは液晶画面の大きさ。メモカメラとして使うことが多くなるこれらのカメラの場合、液晶画面がそれなりに大きく見やすく、拡大表示などもできることが必須と思われたからである。また、Yシャツの胸ポケットなどに入れて持ち歩く場合、小さいよりも薄い方が使いやすいということも重要な点である。

 Exilimは専用のリチウム電池を使用しており、したがって予備の電池でも用意しておかない限り、電池が切れてしまったら手も足も出なくなってしまう。ただ、レンズがF2.5と明るいのでフラッシュを使う機会はあまりなく、普段はフラッシュをOFFにしておいて必要なときだけONにしておくという使い方をしていれば、液晶を常にONにしておいても、結構な時間は駆動している。少なくとも2代目デジカメよりははるかに電池のもちは良い印象である。

 充電とデータの転送は、USBコネクタを介した専用のクレードルを用いるのだが、これは結構使いやすくて便利である。使用頻度の高い機器であるほど、電池やメディアをいちいち取り出して充電やデータの吸出しをする手間は結構わずらわしく感じるものであるからだ。余談ながら、私がDoCoMoのPシリーズの携帯電話をなんとなく使いつづけているのも、同様のクレードル方式の充電が便利であるためである。

 SDカードスロットのほかに、12Mbyteのフラッシュメモリを内蔵していることも、細かいことだがメリットの一つとして挙げられる。SDカード一杯に撮ってしまっても、あと何枚か撮影することが可能になるほか、この内蔵メモリには「お気に入り」というフォルダがあって、この中に気に入った写真を別に保存しておける。液晶表示のみなので、画像サイズはQVGA(320×240)になってしまうが、このサイズの写真なら最大500枚くらいは保存しておける。ちょっとしたアルバムとして人に見せるのには便利な機能である。

 メニューは十字キーで操作することになっている。誰にでも分かるような日本語/英語(選択できる)のメニュー説明が大きく表示され、マニュアルがなくても一通りの操作はできる。メニューは階層化されていて分かりやすい反面、階層の深いところは操作に手間がかかるところもあるが、良く使う機能を十字キーの左右に割り当てることもできるほか、電源を落とした時の設定の保存の有無なども指定できるようになっており、カスタマイズのし甲斐もある。十字キーが小さいので、慣れないうちは操作に苦労するかも知れないが。

 小さいカメラであるが故に、特に暗いところではシャッタースピードが遅くなり手ぶれの頻度が大きい。シャッターは非常に軽いので、慣れてくれば手ぶれもある程度解消されるのかも知れないが、可能な限り両手で持つか、片手で撮る場合も本体を包み込むようにホールドして撮影するのが、うまく撮影するコツのようだ。

 もちろん良いことばかりでもない。Exilimの弱点の一つとしては、マクロ撮影モードがないということがある。Exilimの公称撮影範囲は1m以上となっており、それ以上寄るとボケてしまうというのはメモカメラ用途のデジタルカメラとしては結構痛い弱点である。個人的にはあまりマクロ撮影が必要になったケースは今のところないが、ないよりあった方がいいのはもちろんである。10cmまで寄れることは必要ないが、せめて50cmくらいまでは寄って撮影できて欲しかった。これについては、ユーザーからの要望が多いらしく、別会社から、Exilim用の着脱式マクロレンズが発売されているほどである。

 レンズ部分が剥き出しになっているのも、傷をつけてしまいそうで、不安と言えば不安である。2代目カメラはレンズカバーがついていて、それがスイッチの役割を果たしていたので、撮影までの動作がスムーズであった(SonyのU-10/20もそう)。Exilimはその薄さから、たいていは衣服の胸ポケットに入れておくことになるので、傷だらけになってしまう心配はあまりないかも知れないが、無いよりはあったほうがいいので、別売りのジャケットを購入した。ケースと違って、かぶせたままでも撮影することが出来るのが便利。ジャケットがホールド性を良くしてくれるので、先に述べた手ぶれの問題もある程度解決してくれる。

 ともかくこの大きさで、2代目デジカメ以上の性能を持っているので、このExilimもすっかりお気に入りとなり、3代目デジカメとして今後活躍することになりそうである。


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