#191 パソコン大中小性能比較

2002/02/11

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 私が最初に買ったパソコンは、ノート型のPC9801NSRである。時は1993年の暮れであるから、大昔からパソコンに親しんでいたという訳ではないにせよ、気がつけば買ってからもう8年以上もたっているわけである。

 そのパソコンは、2年ほど使ったある時、膝の上から床に転がり落として、動きはするもののフロッピーディスクドライブが全く使えなくなるという重傷に見舞われたため、知人に安く払い下げてしまった。2台目のパソコンは1995年暮れ。世間がすでにWindows95だと騒いでいたときに、敢えてまたPC9821Ldというパソコンを買い、現在でも現役で使い続けている。ということは、かれこれ6年以上使っていることになる。

 その後1998年3月に、強力な携帯端末であるHP200LXを購入し、その年の6月には友人からPC9821Xa12を安く譲ってもらい、一気にパソコン複数台所持者になる。その後Windowsパソコンの方は、力不足を感じるようになり、ADSLの開通に合わせ2001年5月にデスクトップパソコンをiiyamaのMC700UCBに更新した。古いパソコンの方は妻の父上に差し上げた。

 というわけで、現在はWindowsデスクトップとDOSノートと携帯端末の3つが現役で使われていることになる。並べてみると、まさに大中小といった感じで面白い。当然のことながらこの3つは、大きさだけでなく、性能やその他の面でも天と地ほどの差がある。

 単純にカタログスペックで性能を比較すると、まずCPUでは、携帯端末は80186相当の約8MHz、DOSノートは80486SX33MHz、WindowsデスクトップはCeleron700MHzである。クロック数だけで比較すれば、携帯端末を1として、DOSノートが4、Winデスクトップが約85である。実際にはCPUのロジックそのものも進化しているので、数字以上の性能差があるだろう。

 内部メモリも、携帯端末は4Mbyte、DOSノート12Mbyte、Windowsデスクトップでは320Mbyteである。携帯端末を1として、DOSノートは3、Winデスクトップは80となる。また外部記憶装置も、それぞれ64Mbyteフラッシュメモリ340MbyteHDD40GbyteHDDとなり、比で言えば1:5:600。画面の大きさと色数も、それぞれ640×200×2bitモノクロ640×480×8bitカラー1280×1024×24bitカラーである。メモリの量で比較すれば、1:8:120となる。携帯端末とDOSノートの差がそれほどないのに対して、Winパソコンは桁が2つばかり違う。

 とまあ、ここまでは当然Winデスクトップが2桁違いくらいの差で圧勝なのであるが、パソコンというものは単に定量的な性能がよければいいかというとそういうものではない。

 たとえば重さ。携帯端末は電池を入れても350gなのに対し、DOSノートは約2kg、Winデスクトップはモニタ込みで約20kgだ。重量比は1:7:70。携帯性ということで考えれば、デスクトップは引っ越しでもない限り動かせないが、携帯端末はどこにでも持ち運べる。また起動速度も、携帯端末が1秒以下でレジュームが働くのに対し、ノートパソコンは約2秒、デスクトップはレジュームを使っていないので起動に1分はかかる。携帯端末のこの機動性は、上に述べた性能の差のすべてをもってしても太刀打ちできない。

 ちなみにOSは、かたやDOS5でかたやWindowMe。数値では比較できないものの、単純にWindowsの方がいいと言えるものでもない。安定性から言えば、前者の方が後者よりも100倍安定していると思われる。それにしても、カタログスペックを掛け合わせれば何百万倍も性能がいいはずのWindowsなのに、早くて便利で安定して使いやすくなったと思えないのは、ひとえにハードウェアの進化に増して無用に肥大化したOSのせいに他ならない。

 そして意外にも、付属品を含めた購入当時の価格は、どれも7〜10万円でほぼ同じである。パソコンの価値というものは、単なる数字上のスペックでは測れないということが言えると思う。


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