#182 今再びmsnが寒い!

2001/10/17

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 msnとは、Microsoft Networkという、現在はインターネット・サービス・プロバイダの1つである。

「現在は」と書いたのは、もともとはmsnはWindows95の発売当時に、パソコン通信として立ち上がったものだったという経緯を踏まえている。当時すでにインターネットの流行に火がつきはじめ、これからはインターネットがパソコン通信に取って替わることが誰の目にも明かだった時に、何を思ったかMicrosoftが「世界最大のパソコン通信ネットワークを作るぞ!」と鳴り物入りでぶちあげたものが、msnの始まりであった(確か)。

 ご丁寧にMicrosoftは、Windows95の起動画面に、msnへの加入のためのアイコンを作り、クリックすれば自動的にサインアップができる仕組みを作り上げた。こうしておけば、よくわからないユーザーが勝手にどんどんmsnに加入してくれ、瞬く間に世界最大のパソコン通信ネットワークが完成する、という目論見だったものと思われる。

 実際には全くそんなことにはならなかったわけであるが、それでもなんとなく画面上のアイコンをクリックして登録してしまった人は少なからず存在した。しかし入ってはみたものの、サーバはしょっちゅうダウンするわメールはしょっちゅう使えなくなるわと散々であるため、退会しようとしたところ、退会方法がさっぱりわからない。サポートに電話して退会手続きを取ったはずなのに、その後も料金請求が来たとか、5%の消費税を4月施行前の利用料金にまで課金しておきながら返金はドル建てで、その間の為替差損はカバーしないとか、msn側の会計処理の遅れで請求が滞った挙げ句に、一度に7ヶ月分の請求が来たとか、ひどい話がごろごろしている。

 その後msnはインターネット・サービス・プロバイダとして生まれ変わったものの、サービスの悪さやトラブルは相変わらずらしく、パソコン雑誌などがたまに行っているプロバイダ別満足度ランキングでは、間違いなく下から数えた方が早いか、もしくはそもそもランキングにすら載らないという体たらくである。余談になるが、今やインターネットプロバイダなどは掃いて捨てるほどあるわけで、これからプロバイダを選ぼうとしている人は、会社が謳っているサービスなどの表面的な情報だけでなく、実際に使っている人の評判などの情報を集めてから入会した方がいい。こういった情報はインターネットや雑誌などでもよく見かけるし、一度入ったサービスを抜けるのは手間も時間もお金もかかるから、慎重にした方がいい。安易に「安いから」「大手だから」「なんとなくよく名前を聞くから」などという判断基準で選ぶと、得てしてババを掴む結果になりかねない。

 話をmsnに戻すと、msnではポータルサイトも作っているのであるが、このページの一部が、先日来猛威を奮い新聞やテレビ報道にまでなっているNimdaワームに感染し、一時サイト閉鎖に追い込まれた。Nimdaについては、それが流行する以前にすでにリリースされていた修正プログラムを当てていれば、基本的には感染を防げたはずなのに、当のMicrosoftが運営しているページが修正を怠った結果、感染し、多くの人が参照するポータルサイトを通じてワームをばらまいているのだから、全くお寒い話である。

 更に最近、msnの日本版のトップページが、javascriptによってブラウザの種類を判別し、Microsoft社製のInternetExplorer(以下IE)以外のブラウザでは参照できなくしたと言う。msnの話では「msnを利用する人のうちの大半はIEで参照しているから問題ない」という話であるが、Webを参照する人が皆が皆IEを使っているわけでないのは明らかであり、これは明らかにマイノリティの排除、インターネットの私物化と言われても仕方がない横暴な措置である。

 この話にはオチがあって、確かにトップページからだとブラウザ選別で跳ねられるが、home.htmlからアクセスすると、IE以外のブラウザでも何の問題もなく参照できるということだから、ブラウザ選別のページは実のところ全く意味がない。まあ私自身は、そんな排他的でしかもウイルスまで伝染されかねないサイトに好きこのんで行くつもりはないからどうでもいいことではあるが、今後も継続して利用したいという人は、せいぜいセキュリティ対策をしっかりしてからご利用くださいませ。


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