#162 マイライン選択の指針

2001/04/06

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 電話会社が複数参入してきて、自分の選ぶ電話会社を前もって決めることのできる「マイライン」がいよいよ5月1日から施行されることになったわけだが、電話会社も料金体系も割引サービスも山ほどあって、正直言ってどれを選べばいいのかさっぱりわからないという人が多いのではないだろうか。

 もちろん、選ぶのが面倒なら「何もしない」というのもありで、その場合、今まで通り基本はNTT西及びNTTコミュニケーションズを選択し、必要に応じて手入力やACRによって別の電話会社を選ぶということになる。しかしうまく選べば今までよりも大幅に通話料を節約することができる可能性もあるので、子細に検討し適切な選択を取るというのも決して無駄なことではない。

 マイライン施行に向けていくつも乱立している電話会社であるが、その種類は大きく分けると二つに分けられる。一つは「先発型」といわれるもので、NTT・KDDI・日本テレコムなどがそれにあたる。これらはLCRやACRが普及し始める以前からサービスを始めた会社で、現在では基本的に通常の通話料がほぼ同額の横並びになっている。もう一つは「後発型」といわれるもので、TTNet・QTNet・フュージョン・C&Wなどがそれにあたる。これらは比較的最近参入してきた会社で、独自の料金体系を持ち、通常の通話料は先発型に比べ概して割安である。

 通常の通話料だけで比較すると後発型の会社を選んだ方が割安になるように見えるが、話はそれほど単純ではない。後発型の会社は通常の通話料が安い分、そこからの割引サービスがほとんどないのに対して、先発型の会社は、かける時間帯によっては料金が割安になったり、オプションの契約をすれば通話料を一定額割引するサービスを持っており、これらを利用すると後発型に比べ割安になる可能性ある。

 これらオプションサービスを受けるためには、毎月一定額を支払ったり、一定額以上の利用がないと有効にならない場合が多かったのだが、最近では自社サービスへの囲い込みのために、マイラインプラスへの登録によってこの定額料をサービスされたり、更に割引率がアップしたりするケースも多くなってきた。つまり、マイラインプラスを申し込んだ上でこれらのサービスを申し込めば、他に特別な料金を支払うことなく、通話料が通常料金から25〜50%程度割引きされるのである。従って、先発型のこれらの割引サービス後の通話料と、後発型の会社の通常の通話料とを天秤にかけて、安い方を選択するのがベストの選択と言える。

 また当然のことであるが、すべての場合において料金を安くするケースというものは存在しない。概して後発型の方は、時間帯によらず通話料が一定である場合が多いため、深夜・早朝の場合は先発型の通話料よりも割高になったりする場合もある。また長距離でも一定額というような料金体系では、近距離の場合で比較するとかえって割高になる場合もある。結局のところ、自分の通話先や通話時間帯などを調べ、その上で、よく使う通話(というよりはより高額な料金を占める通話)が割安になるようなパターンを選ぶのが良いと言える。

 ちなみに、マイラインがもともとLCRやACRをソフト的に実現するサービスであることから、マイライン設定・施行後はLCRやACRの機能を停止した方がよい。マイラインプラスに登録した場合は、LCRやACRの機能よりもマイラインプラスによる選択の方が優先されるので、機能させていても意味がない。一方マイライン登録の場合はこれらの機能が優先されることになり、マイラインを選んだ意味がなくなる。(意図的にマイラインの機能を無くすという場合はこの限りではないが。)

 という具合でおよそ選択の方針が決まったところで、紙幅が尽きてしまった。次回こそ各論に入ろうと思う。


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