#149 引出しの中の整理

2000/12/26

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 前回は「机の上」すなわちWindowsのデスクトップに散らかったアイコンをなるべく減らすと言う提案をした。しかし、ショートカットキーなんか憶えたくない人もいるだろうし、できるだけすぐアクセスできるところに沢山アプリケーションやファイルを置いておきたい人もいるだろう。このような場合には「引出しの中」すなわちスタートメニューを改造することをお勧めする。

 Windowsの引出しとも言えるスタートメニューは、Windows9xになって以来、常に画面の下の方に必ず見えるところにある(隠す設定にしていても、ポインタを持ってくれば現れる)。場合によっては隠れてしまうデスクトップ上のアイコンよりは確実にアクセスしやすい。キーボードによっては窓の絵の書いてある「Windowsキー」一発でメニューが伸びてくる。このスタートメニューの内容は、スタートメニューを右クリックして「開く」を選択すると、構造がフォルダ形式で表示される。

 しかしWindowsは、長期間使っていくと(ひどい時にはプレインストールマシンを買った時にすでに)このスタートメニュー内の「プログラム」以下に画面の縦幅よりも長いようなメニューができあがっており、この中から目的のプログラムを探すのは大変面倒である。ここを整理するのはそれだけで一日仕事になってしまうし、いくら整理してもしばらくしたらまたいろんなアプリケーションが勝手にフォルダを作っているのできりがない。従ってこの「プログラム」のフォルダは荒れるがままに放置しておく。

 よく使うメニューはなるべく階層を浅くすることが望ましい。お勧めなのは、スタートメニューに直接「Graphic」「Music」「Network」「Project」などの分類用のフォルダを作り、その中に比較的よく使うアプリケーションやファイルのショートカットをまとめて放り込んでおくことである。ゲームをよく使う人なら「プログラム」→「アクセサリ」→「ゲーム」の中身も、ごっそりスタートメニュー直下に持って行く。するとたいていのものはスタートメニューから2階層で辿りつけるようになる。アプリケーションも適度に分類されているので探す手間がほとんど要らなくなる。

 アイコンの数が少なければ、タスクバーに押込んでしまうのも便利である。やり方は簡単。押込みたいアイコンをタスクバーのスタートメニューの脇までドラッグしてドロップすればいいだけである。小さいのでアイコンしか表示されないのと、そう沢山は押込めないのが難点だが、常に見えるところにあるので、使用頻度の大きいものはここに入れておくと便利である。

 その他、Windows9x以降はファイルにアプリケーションを関連づけることができるが、必ずしも関連づけたいアプリケーションが一つに決まらない時もある。例えば画像ファイルにしても、ただ単に閲覧したい時もあれば、レタッチソフトで加工したい時もあるはずだ。こう言う時はファイルを右クリックすると出てくる「送る」メニューを活用すると良い。送るメニューで出てくるメニュー一覧は、\Windows\SendTo以下に入っているアプリケーションやショートカットである。この中に、やはりよく使うアプリケーションのショートカットを放り込んでおく。このようにしておくと、ファイルを選択し右クリック→「送る」で、アプリケーションを一覧から選択でき、選択したアプリケーションでファイルを開くことができる。

 アプリケーションが勝手に設定した関連づけそのものを変更したい場合もあるだろう。関連づけそのものを削除するには、エクスプローラで「表示」→「フォルダオプション」で「ファイルタイプ」を選択。ここに登録されているファイルタイプと対応するアプリケーションの一覧があるので、削除したいものを選んで削除する。逆に関連づけを行いたい場合は、関連づけたいファイルを選択し、Shiftを押しながら右クリックして「アプリケーションから開く」を選択、「このファイルを開くアプリケーション」で選択するか、そこにない場合は「その他」でアプリケーションを探して選択。OKの前に「この種類のファイルを開く時は、いつもこのアプリケーションを使う」をONにしておけば、以後は同じファイルタイプ(拡張子)のファイルは、そのアプリケーションに関連づけられ、ダブルクリックで開くことができるようになる。

 また、関連づけを拡張させたものとして、右クリックメニューそのものを改造する方法もある。やり方は「フォルダオプション」でファイルタイプを選択しダブルクリックすると「アクションの追加」という項目が出てくる。ここで適当な名前と対応するアプリケーションを記録すると、右クリックメニューに直接そのメニューが現れるようになる。こちらは「送る」に比べてファイルタイプごとにアクションを設定できるので、より細かい設定が可能になる。

 いずれも標準的な機能を使い、システムの根幹をあまりいじくることなく使い勝手を良くするものなので、できるところから試みてみてはいかがだろう。痒いところに手が届かないWindowsも少しは使いやすくなって、愛着が持てるようになるのではないだろうか。無理に愛着を持つこともないけど。


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