#148 机の上の整理

2000/12/19

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 年末に入ると、殊勝な人の場合は、新年をさっぱりした気持ちで迎えようと家中の大掃除をやろうという人も多いのではないかと思う。そこまで殊勝でなくても、せめて自分の書斎や机の上くらい片付けようという人はまま居るのではないかと思われる。しかしながら現実世界の整理や片付けは、物理的な物の移動とエントロピー増大の法則への抵抗という困難さが伴うため、ついつい後回しにしてしまいがちである。そういう現実世界の片付けがなかなか出来ない人は、せめて仮想的な世界だけでも少し整理をしてみてはということで、今回は多くの人の職場の机の上にあるWindowsパソコンの「机の上」すなわちWindowsのデスクトップの整理などについて、いろいろと提案してみようと思う。

 どういうわけかWindowsのデスクトップも、現実世界の机の上と同様、気がつけば後ろの壁紙が見えないくらいにアイコンが山のように並んでいたりする。Windows3.1の頃は「プログラムマネージャ」というものがデスクトップにあり、ここではいくつかのグループに分けてアイコンを整理していた(というよりそれしか管理の方法がなかった)のだが、デスクトップの上に任意にアイコンを置いておけるようになると、ただ単に整理もせずにべたべたアイコンを貼りつけてほったらかしにしてしまいがちになる。

 デスクトップによく使うものを置いておくのは、常に表示されている画面上から直接開くことができるので一見便利なように見える。しかしあまり沢山のアイコンを置いておくと、ウインドウの状態によっては肝心な時にアイコンがウインドウの下に隠れていたりして、ウインドウをどかせる手間が入るだけかえって不便になることも多い。だいたいアイコンがあまり沢山載っているデスクトップは、再表示に時間がかかるなど、コンピュータの資源を無駄食いする原因にもなる。たとえアイコンを自分でわかりやすいような順番に再配置していたとしても、何かの拍子にWindowsが異常終了すると、折角分かりやすいように再配置したアイコンの並び順が無残にもバラバラにされることもままある。

 従ってデスクトップに置いておくアイコンは、頻繁に開く必要のある現在進行形の仕事に関するファイルなど、ごく少数に限っておいた方がいい。できればそのファイルも、本体をそのままデスクトップに置いておくと事故のもとなので、本体は別のフォルダにまとめショートカットの形で置いておいた方がいい。使わなくなってきたら、心置きなくショートカットをごみ箱に捨てればいい。そういった資料があまりにも沢山ある場合は、フォルダごとに資料をまとめて、そのフォルダのショートカットをデスクトップに置いておくと整理されて見通しがよくなる。

 アプリケーションも、よく使うものならデスクトップに置いておいてもいいが、本当によく使うものならショートカットに登録する方がいい。アプリケーションのアイコンを右クリックして「プロパティ」→「ショートカット(もしくはプログラム)」から「ショートカットキー」のダイアログボックスを選択、ここで登録するコンビネーションキーを実際に押すとキーの種類や組合せが画面に表示される。OKで登録すれば、以降はそのコンビネーションキー一発で登録したアプリケーションが立ち上がる。Ctrl+○などは、Windows本来のショートカットとバッティングするので、Alt+○またはCtrl+ALt+○などを使うといい。筆者の例では、Ctrl+Alt+Xで「エクスプローラ」Ctrl+Alt+Nで「ネットスケープ」などという具合だ。よく使うアプリケーションなんてせいぜい10個程度なので、これで充分間に合うし、慣れればこの方が圧倒的に早く起動できる。慣れないうちは何をどのキーで登録したか忘れてしまうので、ショートカットと登録したアプリケーションの一覧をメモしたファイルを作っておくといい。

 それでもやっぱり沢山のアイコンを置いておかないと落ち着かない人のためには、次回スタートメニューの改造を含めた整理の方法を提案する。


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