#132 携帯端末再考(その1)

2000/08/30

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 私より先に結婚して、来月には子供も生まれようと言う3つ下の弟が、今度はモバイルパソコン(携帯端末)が欲しいと言ってきた。

 そもそも弟は私より薄給(勤続年数が違うから当然だけど)の割には、車だのノートパソコンだのアウトドアグッズだの健康器具だの折り畳み自転車だの、高額な趣味用品をあれこれ買って持っている。もうすぐ子供も生まれて自分の自由に使えるお金も減ってくるだろうに、よくそんな金があるもんだと感心してしまう。いや、子供が生まれると自由になるお金が減るから今のうちに、ということかも知れないが。

 それはともかく、過去にも共同出資して購入したノートパソコンを結局使わなかった前科もあるように、もともと弟は私に比べてそういうものには疎い。まあ疎いからアドバイスを求めてきているのかも知れないけど、なあんか今回も本当に必要と思って欲しいと言うよりは、単に「流行りだから」という感じで欲しがっているように見える。もっとも、パソコンを買った人の半分くらいは、そういう「流行りだから」「時代に乗り遅れるから」というミーハー精神で買ってるという気もする。何しろITの何たるかを知らない首相の統べる国なんだから。

 まあ本人も「戯れ言」と言ってることだし、こっちも大して詳しいわけではないので、乏しい知識の中で半ば無責任モードで、どんな携帯端末がいいのかアドバイスしてみよう。

 そもそも「モバイル」というからには、持ち歩けなければ意味がない。いつ何時でも携帯し、必要な時に使えるところが携帯端末の強みである。従って携帯端末に第一に求められるのは、本体の小ささと軽さである。持って歩くのに邪魔な程の大きさや重さがあったのでは、折角の携帯端末も、持って歩くのが面倒になってしまうのは目に見えている。

 だが当然のことながら、本体が小さければ小さいほど中に詰込める部品が限られることから、当然機能的にも多くを求めることはできなくなる。また、これらの携帯端末を動かすためには当然電池が必要なのだが、あらゆる部品の中で最も重い部品が電池であることも事実だ。そして機能的に多くのことを求めれば求めるほど、消費電力も大きくなり、それに見合う電池が必要になってくる。このように携帯端末は、携帯性と機能とのバランスから、何等かの妥協点を見いだす必要が出てくる。

 携帯端末に求められる機能のうち代表的なものは、前にも話したように個人情報管理(PIM)であり、とりわけ住所録や予定表やメモ書きといったものであろう。また最近ではインターネットの爆発的な普及により、メールやWebをいつでもどこでも利用したいという需要も増えている。

 メールやWebといった情報端末として考えると、やはりi-modeなどのインターネット接続可能な電話(以下面倒なのでi-modeで代表させる。EzWEBなどご利用の方すみません)は、非常にトータルバランスに優れている。100gを切る程の大きさで、メールもWebも利用することができるし、もともとが電話なのだから、登録さえすれば立派な電話番号帳替わりにもなる。画面の大きさや文字入力のやりやすさなどで言えばまだまだ不満も残る部分もあるが、大きさを考えればこのぐらいの妥協はいたしかたない。

 ただしi-modeの場合、ほとんどそれ単独で閉じた機械であるという点は押さえておかなくてはならない。つまりパソコンの補助端末という役割は担っていないため、パソコンなどとデータのやり取りを行う場合は手間と工夫を要する。また閉じた機械であるということは、逆に言えばソフトをインストールして使うなどの拡張性に乏しいということになる。ユーザーがいじって楽しめる部分と言うのは、せいぜい着メロと待ち受け画像くらいのものである。

 というわけで、i-modeを携帯端末の範疇に入れるのはちょっと無理があるかも知れない。次回個人情報管理を主として行うための携帯端末について、もう少し掘り下げて考えてみる(予定)。


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