#098 無事に済んだか2000年問題

2000/01/05

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 2000年もどうやら無事に迎えることができたようだ。心配された2000年問題も、少なくとも年明け直後は日常生活に著しい不便や損害を与えることもなく、無事クリアされつつあるようである。

 実を言うと、あれこれ2000年問題についてやかましいことを言っていながら、結局個人的には対策らしい対策などはほとんど何もしていなかった。暖房だって電気なしで動くものは持ち合せていなかったし、食料もおせち料理の食材以外にはほとんど買いこんでいなかったし、水だってせいぜい風呂の残り湯を取っておいて、あとは飲み水用にポットにお湯を入れておいた程度である。こんな程度ではもし本当に電気やガスや水道が止まったら、復旧するまで厚着をして寒さをしのぎながら、おせちでも食べつつ寝て過ごす以外に方法はなかったであろう。

 現代はテレビでの衛星中継があたりまえになり、特にこの年明けはミレニアムだかなんだかで、世界の新年の様子をライブで放映する番組が多かった。日付変更線は太平洋の真ん中を通っているため、南太平洋上の島々から順に西に向かって年が明けていく。そして比較的近代化の進んだ国の中では、ニュージーランドが日本よりも3時間程早く新年を迎える。新年を迎えたニュージーランドで、何事もなく無事に年が明けたことが報道されたのを見て、初めて「とりあえず無事に2000年を迎えられそうだ」ということを確信した。

 その3時間後に、無事日本でも新年を迎えたことを妻と共に確認。各種時計も無事2000年になっていることを確認した。もっとも携帯電話の方は、新年を迎える少し前から頻繁に「しばらくおまちください」のメッセージが出るようになっていた。恐らく2000年問題に関係なく、一時的に通話が集中してかかりにくい状態になっていたのであろう。急いで電話をかけなくてはならない用事もなかったし、NTTもそのような電話は控えるように言っていたので、そのままほっといて寝てしまった。

 初日もすっかり高く登った頃に起き出してテレビをつけてみると、今度はパリのエッフェル塔が燃えるような派手な花火に包まれているのがみられた。ヨーロッパの国々も次々に無事新年を迎えたらしい。そして2000年問題に対して最も警戒を強めていたアメリカ合衆国でも無事に新年を迎え、とりあえず2000年問題による年明け直後の混乱は全世界的に免れたようであった。

 もちろん、結果として大事に至らなかったのは、ぎりぎりまで2000年問題対策に腐心した技術者の努力の甲斐あってのものだと思っている。ただ、国内の原子力発電所関係で2000年問題に起因すると見られる不具合がなぜか相次いで見つかったことはあまり気持ちのいいものではない。いずれも表示やデータ伝送に関わる計微な不具合で、動作に影響はないと言うものの、昨年の臨界事故以来原子力行政に対する疑問や不信の念が消えない時期だけに、もう少ししっかりとしてもらいたい。

 自分の身の回りのコンピュータ関係で言えば、2000年問題とは直接関係ないが、メールの転送関係でちょっとミスをやらかした。2000年問題による不具合防止のためにWSを一時停止するのに伴い、メールの転送先の一部を停止する必要があったのだが、その際誤って、止めなくていい方を止め、止めるつもりのところを止めていなかった。その他の転送先には無事に転送されていたので、届いていることは届いているのだが、メールをくれた相手にエラーメールを返してしまい、余計な心配をかけてしまった。面目ない

 自分のWebPageなども、この通り無事に稼働しているようであるし、その他の部分についても、今の所重大な不具合は起きていない。まだ動かしはじめたばかりなので気がついていないだけかも知れないが。

 ただ、(私は使っていないけど)MicrosoftのOutlookExpress5.0を使っていて、年明けとともにいきなり受信トレイのメールがきれいさっぱりなくなっていたとの報告もある。さすがMicrosoft。今年もその技術力でパソコン業界をお騒がせすること間違いなしのようである。笑い事じゃないって。


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