#092 i-mode補強サービスあれこれ

1999/11/26

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 携帯電話一つでメールもWebブラウズも可能にしたi-mode。私も手に入れて以来すっかり気にいっているのだが、それでもやはり、機能的な制限のために、時には不便に感じることもある。

 まずメールに関してだが、全角で250文字しか送受信できないというのは、実用上やはり不足気味だ。受信したメールが250文字以上あったり、添付ファイルなどを含んでいた場合は、以降の部分は無情にも削除されて届く。もっとも、大量の分量のメールを勝手に受信してパケット転送料が嵩んでしまうということを避けるための措置かも知れないが、250文字以降の部分に肝腎なことが書いてありそうな場合など、その部分が消えてしまっていると、やはりそれ以降の内容が気になってしまう。

 また、普段パソコンでメールを読み書きしている人の場合、そのメールをすべてi-modeに転送していると、煩わしいということもある。例えば、友人からのメールはi-modeに転送したいが、メーリングリストなどの自分個人ではない不特定多数へ送られたメールについてはi-modeに転送したくないという場合あるに違いない。そもそも、パソコンにアクセスできる時間は、i-modeに転送してもらわなくても良いというような要望もあるだろう。

 また引用や署名など、内容に直接関係のない部分は送ってほしくない、と思うことも多い。ただでさえ受信できる量が制限されているのに、余計な情報が多くて肝腎の情報が見られなくなってしまっては意味がない。

 こういった種々の要望に対して、痒い所に手が届くきめ細かいサービスをしてくれるのがEmCmというサービスである。このサービスに登録すると、このサービス専用のメールアドレスが一つもらえる。ここをメールの転送先にしておくと、特定の条件を満たすor満たさないメールのみを、一定の大きさに分割してくれたり、引用などの部分を削除してくれたりしたのちに、i-modeに転送してくれる。また、時間指定で転送をON/OFFにすることも可能である。設定項目は非常に多岐に渡るが、うまく設定すれば、必要なメールの必要な部分のみを必要な時に受信することができるので、非常に便利である。しかも登録は無料である。

 Mocoというサービスもi-modeでのメール読み書きを補強するという意味で有益なサービスだ。EmCmがi-modeのメール機能をサポートするというアプローチなのに対し、Mocoはi-modeのブラウザ機能を利用したメールサービスである。Mocoについても、登録するとやはり専用のメールアドレスを与えられる。メールの転送先をこちらにしておけば、i-modeのブラウザを通してのメール送受信が可能になる。もちろんここでは250文字の文字制限はないし、添付ファイルにも対応している。メールの中身は適宜分割されているので、先頭部分だけを読んで、不要なメールならそれ以上読まずにすむ。メールの受信をi-modeメールで告知することもできるし、普段利用しているプロバイダへリモートアクセスしてメールを吸い出すこともできる。i-modeの特徴をうまく生かした強力なサービスであり、こちらも登録は無料である。

 Webに関しても、最近はかなりi-mode対応のページが増えてきたとは言え、大部分のページはi-modeではうまく表示できない。また5kbyteを超えるページを読み込むことはできない。

 そこで、i-mode非対応ページをi-modeでも見ることができるようにするようなプロキシサーバーがi-GATEである。ここにアクセスしたのちに、見たいページのURLを入力して見ると、i-mode非対応ページが、このi-GATEというサーバーを通してi-mode対応ページに変貌する。巨大なページは分割してくれるし、余計なタグは削除してくれる。一度このプロキシを通せば、その先のリンクページなどもすべてi-GATEを通してくれるようになるので、i-GATEの存在を意識する必要はない。お気に入りのページを、i-GATEのプロキシを通した状態でURL登録すれば、以降はi-mode対応ページとして閲覧することが可能になる。これもまた、ちょっとしたものだがなかなか有益なサービスである。

 こういったサービスを併用すれば、便利なi-modeをますます便利に使いこなすことができるようになるだろう。i-modeはまだまだ始まったばかりのメディアで、そのサービスも、NTTDoCoMoのオフィシャルなものから、インターネットによるボランティア的なものまで、まだまだ進化して行くと思われる。サービス開始1年となる2000年3月には、400万台が出回ることになるとの予測もある。手の平サイズのインターネット端末として、今後もこの電脳小道具からますます目が離せない。


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