#077 記号の読み方

1999/08/24

<前目次次>


 コンピュータでよく使われる文字をまとめたASCII文字セットの中には、アルファベットや数字の他に「特殊記号」と呼ばれる1バイトの文字がいくつか登録されている。これらの記号は、英語の文脈ではしばしば登場するものであるし、プログラム言語などでは、それぞれに特殊な意味を持って使われていたりする。そして、これらの記号を単独ではどんな具合に読むのかということだけ取ってみても、いろいろバリエーションがあることに気がつく。

 簡単なところから見てみることにしよう。は「パーセント」というのは一般的であるし、大多数がそのように読んでいると思う。を「カンマ」、を「コロン」、を「セミコロン」というのも同様に良く知られているだろう。

 などは、最近は電子メールの普及でたびたび見かけるので知る人も多いと思うが「アットマーク」というのが一般的であろう。省略して「アット」と言う人もいる。中には「でんでん虫」という人もいるがあまり多くは見かけない。同様にのことを「シャープ」と言わず「イゲタ」という人もあまり見かけない。

 は「アンド」などと言われるけど正式には「アンパサント」という。同様には「エクスクラメーション(マーク)」、は「クエスチョン(マーク)」と言うのが正式な名称なのだろうが、面倒なので和風に「びっくり(マーク)」「はてな(マーク)」などと言う人の方が多いようだ。

 電子メールアドレスでもドメイン名の区切りに使われる は「ピリオド」と言うべきなのだろうが、「ドット」とか「ポチ」とか「ポツ」とか「点」とか色々に言われる。

 ’‘ ”などは、ちゃんと言うと「シングルクオーテーション(マーク)」「バッククオーテーション(マーク)」「ダブルクオーテーション(マーク)」などとなる。文脈が明確なら「ちょん」「逆ちょん」「ちょんちょん」などと言うこともないではないが、「ヽ」「〃」などと間違われることもあるので注意が必要である。

 は共に「括弧」と言うが、区別する時には「開き括弧/閉じ括弧」「括弧/括弧閉じ」なんて言う。「カッコ/コッカ」なんて言って区別する人もいる。括弧にはほかにも色々種類があるので、区別しようとすると結構ややこしい。 は「丸括弧」または「小括弧」、 は「波括弧」または「中括弧」、 は「カギ括弧」または「大括弧」などと言って区別したりする場合もある。だと「波括弧閉じ」とか「中コッカ」になったりして、こうなるともう百家争鳴状態である。同じ括弧の一種に見えるについては、数学記号にちなんで「大なり/小なり」などと言われることが多い。

 +−=は数学でもよく使われるので「たす」「引く」「わ」などと日本語で言ってもいいのだが、最後など「わ」だけでは分かりにくいので「プラス」「マイナス」「イコール」と言った方が間違いが少ない。または、英単語を接続する文脈においては「ハイフン」であったりもする。

 プログラム言語の場合「掛ける」には、「割る」にはが使われることが多い。それぞれ「アスタリスク」と「スラッシュ」であるが、「アスタ」「スラ」などと略したりもする。算術式の文脈で使われる場合は単に「かける」「わる」と言う場合も多い。一方は「バックスラッシュ」であるが、日本の場合は同じコードがの字にあてられている場合が多いだろう。もともとこれは日本の通貨単位「円」を表すものだから英語名がない。従って「円マーク」なんて言うのが一番通りがいい。

  ̄_^などは、端末によってはなかなか出なかったり、あるいは表示が違っていたりする場合もあるだろう。読み方もあまり知られていない。それぞれ「チルダ」「アンダースコア」「サーカムフレックス」と言う。和風に「にょろ」「下線」「山型」と言う人もいる。

 このように、記号一つ取っても、知らない読み方があったり、色んな読み方があったりするのがわかるであろう。ちなみに私の場合、ちゃんとした英語名で読む方が誤解が少なくて良いように思うので、なるべく英語名で読んでいる傾向があるようだ。コミュニケーションの促進のためにも、一度まわりの人に聞いてみたりして、どんな読み方が一般的に使われているのか確認してみるのもいいかもしれない。


<前目次次>