#071 実家のパソコンをバージョンアップ

1999/07/15

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 私の実家にも実はパソコンがあることはある。私の弟が所有するSO*ECの古いWinBookSCである。弟がパソコンを欲しいと3年前に言い出した時に、秋葉原を徘徊していたところ、T-Z*NEで当時69,800円(税抜)で売っていたので、勧めて買わせた代物である、と言うより正確には私が半額出資して買ったものである。CPUは486SX33MHz、260MbyteHDD、メモリ8Mbyteという構成のノートパソコンで、まあ今となっては非力なマシンと評価されてしまう部類のものであるが、当時としてはこれでも結構お買い得だったのだ。

 惜しむらくは、OSがWindows3.1であったということである。まだ当時はWindows95はそれほど普及していなかったので、Windows3.1でもまだそこそこ使えたのであるが、当の弟は、買いたいと言って買ったはいいものの、もともとこういうものには私ほどには興味がなかったため、ほとんど使わないまましばらくの間ほったらかしにしていた。ようやく弟も会社でパソコンを使(わされるよ)うになり、ぼつぼつ使いはじめた頃には、このノートパソコンはすっかり時代遅れの物になってしまっていた。

 今ではこのパソコンは、主に親父のゲーム用に使われていることが多い。親父も定年間近の数年、会社が一気にOA化してパソコンを使(わされるよ)うになりWindowsマシンにも触(らされ)るようになったせいか、Windows付属のゲームのやりかたも憶えてしまったようであり、定年後もこの実家の見捨てられたパソコンで時々ゲームをやっているようだ。

 ちなみに親父のお気に入りは、Windows95のアクセサリにあるフリーセルである。しかし実家のこのロートルパソコンは残念ながらWindows95ではないので、フリーセルが入っていない。そこで親父は、暇を見つけては近くの電気屋に赴き、店頭で展示されているWindows95マシンでフリーセルを起動して、何分も遊んでいるということをやっているらしい。ちなみにその後、実家の近くの電気屋の店頭展示のパソコンがすべてWindowsのスクリーンセイバーにパスワードをかけるようになってしまったことは、親父のこの褒められない素行と必ずしも無関係ではないだろう。

 弟の方も、会社でパソコンを頻繁に使(わされるよ)うになり、また個人のWindows95マシンが欲しいなどと言ってきた。ここで適当な機種を勧めるのは簡単だが、ポケコンやこのノートパソコンに次いで、買ったはいいが結局たいして使わないという結果になる可能性も高く、いくら他人の金とは言え、そのために何十万円も無駄にするのは馬鹿馬鹿しい。また親父の困った素行を止めさせるためにも、ここは一つ無茶を承知で、件のノートパソコンを一時預り、Windows95にアップグレードすることにした。

 と言ってもこのノートパソコンにはCD-ROMすらないので、インストールは結構大変である。まず、適当なSCSIカードとMOを使って以前の環境をバックアップし、最低限の環境を残して古いシステムのファイルを削除する。全体で260Mbyte程度しかないので、Windows95のインストールもカスタムセットアップを選択し、できるだけ無駄なものは入れないようにする。また、何かあった時にWindows95のディスクを持ち出すのは面倒なので、元のメディアの内容もHDD内にバックアップしておく。かなりコンパクトにインストールしたつもりだが、システムとそのバックアップだけで半分くらいは使われてしまった。

 残りの領域には必要最低限のソフトを吟味してインストールする。ネットワークカードさえ認識してしまえば、あとはネットワーク経由で別のパソコンにアクセスしインストールすることができる。

 そんなこんなで、一応この古いノートパソコンはWindows95マシンとなった。パフォーマンスの方は、いかんせんメモリが8Mbyteしかないので、推して知るべしだが、Windows3.1の頃に比べて著しく遅くなったと言う感じはしない。ただInternet Explorerをインストールすると途端に遅くなったので、それを削除してみたら元のスピードに戻った。不思議な話である。

 Windows95マシンにすることには、私にもメリットがある。よくこの電脳のネタを出先で書くのに使っているHP200LXのフラッシュカードをWindows95のノートパソコンに突っ込めば、この実家のノートパソコン上でファイルを直接編集することが可能になるからだ。やはり長い文章はHP200LXの親指ぷちぷちキーボードよりはフルピッチのキーボードで打った方が書きやすいものである。

 これで「遅くてとても使い物にならない」と感じるほど弟が使い込むようであれば、その時こそ自分で新しいパソコンを買えばよし。よしんばやはり弟が飽きて使わなかったとしても、親父がフリーセルマシンとして使い倒してくれることであろう。めでたしめでたし(ほんとかね)。


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