#066 名刺を作ろう

1999/06/03

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 私の職業は公務員であるのだが、公務員の場合は企業などの場合と違い、名刺は会社が支給してくれるわけではなく、自前で作らなくてはならない。だいたい私のようなヒラの研究者の場合、名刺が必要となる場合などあまりなく、実際に名刺を作っていない人も多い。しかし国内外の学会や研究集会や観測などの際に、知り合ったり世話になったりした人に名刺の一つくらい渡せないとやはり決まりが悪い

 というわけで私の場合、初めて自分で名刺を作ったのは、5年前に今の職場に来た時である。職場から少し離れたところにある印刷屋にお願いして、そこで100枚ほど作ってもらった。外国でも使うことがあるだろうから、英語版と日本語版を裏表に印刷した両面印刷のものである。活字を拾って版下を作ってもらうと値段が高くなるので、MS-Word(当時は確かバージョン5.0くらいではなかったろうか)で適当にデザインして等倍で印刷し、それを直撮りしてもらうことで版下作成費を節約した。本当は100枚も要らないと思ったのが、注文出来る最少枚数が100枚だったので仕方がない。100枚両面印刷で2379円。1枚あたり24円ということになる。

 100枚もあれば数年はもつものと思われたが、これで案外渡す機会はあるもので、4年間の在籍中にあと2回、100枚ずつ同じものを作ってもらった。

 だが昨年、部屋の配置替えがあり、名刺を作り直す必要が出て来た。とは言っても、部屋の番号とダイヤルインの番号が変わった程度で、FAX番号もメールアドレスも変更はなく、古い名刺も50枚くらい余っていたので、必要な所を手で書き直しながらそのまま使いつづけていた。だがここへきてその古い名刺も使いきり、新しい名刺を作る必要が出て来たわけだ。

 また同じ印刷屋にお願いしてもいいのだけど、もうちょっと安く簡単に作る方法はないものかと思っていたところ、パソコン店のサプライ用品の一つに、名刺作成用紙というものがあったので、試しに買ってみることにした。これはA4サイズの少し厚手の紙に名刺を10枚連刷し、1枚ずつ分離出来ると言う代物である。無地白色のものだと10組(名刺100枚分)、柄付きのもので3〜5組(名刺30〜50枚分)で売られていた。用紙だけのもの(420円)と、簡単な作成ソフトつきのもの(約2000円)とがあるが、試しにということで、用紙だけのを購入した。

 そもそも名刺のサイズというものは規格があるものかどうかは知らないけれど、そう大きく違う物ではないので、実際には専用ソフトなどなくてもかまわない。一般的なワープロソフトやドローソフトでも名刺大のサイズのものを連刷する機能はたいていついているものである。私の場合、適当なドローソフト(Micrografx Windows Draw)のウィザードで「名刺」を選択し、適当に文字をレイアウトして、プリンタで印刷して見ると、オリジナルの名刺があっさりとできてしまった。もちろん両面印刷もOK。台紙から1枚ずつ名刺大に切り取るのも、手で折っただけでぱりぱりと分離できるのでなかなか愉快である。とりあえずということで、無地の台紙から仕事用の名刺(両面)を50枚作り、残りの台紙は将来用に残しておくことにした。

 ハンドメイドの名刺のいいところは、必要な時に必要な分だけ印刷出来ること、急に必要になったり内容が変更になっても簡単に増刷できること、そして何より製作コストが安いことである。今回の場合は、印刷代を除けば、1枚当り4.2円だから従来の1/5以下である。反面クオリティに関しては、印刷屋で作ったものに比べれば若干落ちるけど、ちょっと見た所では印刷屋で作った名刺と区別がつかないほど質が向上している。

 私には仕事上の肩書きの他、劇団の制作と言う肩書きもあるし、この6月からは職場の労働組合の委員長もやることになった。それらの肩書きを載せた名刺を作ってみるのもまた面白そうである。仕事用の名刺はそうそう奇抜な物にするわけにはいかないが、プライベートなものなら、デザインを凝ってみたりロゴマークを入れてみたり、このページのURLを入れてみたり、あるいはカラープリンタも買ったことだし、デジカメで撮った顔写真入り名刺なんてのを作ってみるのもいいかもしれない。もっとも私はあまり顔には自信がないので、そこまでやるのはちょっとはばかられるけども。


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