#062 プリンタ購入計画(その2)

1999/05/07

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 前回は、プリンタを購入しようと決めたものの、店頭で見てもどれがいいのやらさっぱりわからないという話であった。ということで、プリンタを選定するにあたり、どういう点に気を配る必要があるか、WebPageなどでいろいろと情報を集め参考にさせてもらったので、以下に列挙してみることにする。

★画質

 各社がしきりに「ウチが一番綺麗」と言って売り文句としている項目の一つである。そりゃもちろんいいに越したことはないが、店頭の印刷サンプルを見て判断するのはやめた方がいいという。これらのサンプルはかなり高精細な元データ(Photoshopのファイルで10Mbyte以上もあるようなもの)を、最高品質の出力設定で、カラー印刷専用紙に印刷している場合が多い。つまりプリンタの最大能力を発揮して出力させたものである。実際の使用では、そうそういつも専用紙を使った高品位データの出力をするわけではなく、むしろ安価な普通紙を使うことの方が多いであろう。また、カラー印刷の画質ばかりが取りざたされるが、少なくとも私の場合、実際に印刷する機会がむしろ多いのはモノクロの印刷であろうと思われる。そういう「普通の」使い方の場合の印刷品質の方にも目を向けるべきである。

★スピード

 こちらもなぜか各社が「ウチが一番速い」とやっている。もちろん速ければ速いに越したことはない。年賀状の印刷などに際しては、同じ物を100枚200枚という単位で印刷するわけであるから、印刷時間の長短は画質よりも重要な要素になってくる。一般的には高品位の出力を望むほどそれだけ印刷時間も長くなるから、印刷品質とのトレードオフということになってくる。またカラーとモノクロでは印刷速度の評価もまるで変わってくる。結局の所は良く使う印刷パターンでのスピードが一番問題になってくるのは言うまでもない。各社の言う「スピード比較」にしても、何を、どんな条件で印刷しているのかということを注意して見るべきである。

★ランニングコスト

 具体的には、印刷一枚あたりどのくらいのコストで印刷できるかである。紙の値段を考えずに単純に考えれば、インクカートリッッジの値段を1カートリッジで印刷できる枚数で割れば1枚あたりの印刷コストが計算できそうなものであるが、そうは問屋が卸さない。インクジェットプリンタの宿命として、しばらく使用しないとインクが乾燥して目詰まりしやすいという構造的弱点がある。これを防ぐために、電源投入時などの際にヘッドクリーニングをする必要があるのだが、その際に使用されるインクの量が意外に多い。このヘッドクリーニングを頻繁に必要とする機種では、実際の印刷可能枚数が大きく減ってしまうということもある。

★静粛性

 あまりカタログでは取りざたされないが、印刷の際の静粛性もかなり重要なポイントである。大量の印刷を夜中寝ているうちにやりたい場合や、子供のいる家庭などでは、プリンタの音があまりにもうるさいと困ってしまう。オフィスでは周りが結構騒がしいのであまり気にはならなくても、家庭で使う場合の機械音は意外と大きく聞こえるものである。可能ならば実際に印刷している時の音を聞いて比較したいところである。

★サイズ

 プリンタというものは意外にサイズが大きいものである。買ってきたはいいが置き場所がないと言うのでは困ってしまう。本体の大きさが小さくても、給紙・排紙トレイを広げた状態での大きさが大きくなってしまっては扱いに困ってしまう。

★ペーパーハンドリング

 上のサイズの問題とも大いに関係するが、給紙・排紙トレイがどのような配置や仕組みになっているかということは、使い勝手の上で大きな問題になってくる。印刷用紙の出し入れがしやすいか、紙づまりを起こした場合に復旧がしやすいか、といったことはなかなか問題にされないが、実際に使う時には結構重要な問題である。

 というわけで、こういったことを総合的に評価すると、おのずと購入したいプリンタというものが見えてきた次第である。私の出したその答えは、もったいつけるようで申し訳ないが、次回に譲ることにする。


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