#010 こんなページは私は嫌いだ(前編)

1998/08/26

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 そんなわけで、私自身もきちんとしたHTMLでもってページを書いているわけではないのだが、不完全ながらもHTMLを使ってページ作りを始めたわけである。

 私がこのように自分でページを作るまでに、これまでにあまたのページがWeb上で公開されており、私もこれまでに多くのページを見てきた経験はある。その内容についてはまさに色々であるし、私も自分に興味のないものは見ないので一概に論じる事はできない。しかし中には、その内容を読む以前に「これは勘弁してくれよ」とディスプレイに向って言いたくなるような見苦しいページも数多く存在する。こういうページは、自分がページ作りをする上で反面教師となりうるので、ある意味大いに参考になる。多分に私見も混じってはいるが、以下に、私が「こんなページは見る気がしない」と思うページの特徴を列挙してみる。

 そもそもWebPageを閲覧するためのソフトというのは、なにもInternet Explorer(以下IE)やNetscape Navigator(以下NN)だけとは限らない。世の中まだまだMosaicを使っている人もいるし、ワープロ専用機やWebTVなどで見ている人もいるし、画像が表示されないテキストブラウザで見ている人もいれば、視覚障碍者などのために、WebPage上の文字を音声で読み上げるようなソフトも存在する。正確には、これらのHTMLを解析し閲覧可能にするソフトを総称して「ユーザエージェント」と呼び、俗に言う「ブラウザ」とは、その中でも画像や音声など、WWWが提供しているサービスすべてを利用可能な総合的なソフト(つまりIEやNNなど)のことを言う。従って、見やすく分かりやすいページ作りの基本は、これら様々なユーザエージェントすべてに配慮したページ作りをすることである。

 よくあるのは「このページはIE4.0以上でごらん下さい」などと言うただし書きのあるもの。これらのコメントは一体何を意図しているのか。例えば上のただし書きのあるページをIE3.0やNNで見た人はどう思うだろう。「はいはいはい。どーせ私の環境はIE4.0なんか入れたら重くて動かなくなるような貧弱な環境ですよ。悪うござんすね」とか「ケッ、あんなセキュリティがザルのIEで見ろなんてどういう了見なんだい。言われなくたって見てやるもんか」とか思うかも知れない(事実と私情半々)。動作確認の結果、IE4.0未満やNNでは意図したとおりの表示や動作をしないので上のように書くというならまだ意味があるが、だとしてもそれは、そもそも特定のブラウザに依存した書き方作り方をする方に問題があると言える。

 あと時々あるのが、いきなりトップページから、QuickTimeやらshockwaveやらMIDI音源などのplug-inを要求するもの。自分のブラウザにはこれらのplug-inは一切入れていないので、こうなるとトップページすら閲覧できない。よしんばあったとしても、CPUパワーやメモリの不足しがちな環境では、これらの重いデータの読み込みと再生の為に、下手をするとOSまで落ちてしまう。世の中そんなに裕福な環境で見ている人ばかりではないのだ。こんなことをされるとこのページは他人のマシンをクラッシュさせるためのページなのかと思われても仕方がない。

 その手のplug-inは必要ないとしても、いきなり巨大な画像などがトップページから掲載されているのもいただけない。画像のロードに時間がかかってなかなかページ全体が表示されないと、それだけで折角訪れた人も逃げてしまうのではないかと思うのだが。

 広告を集めすぎたためにトップページが広告バナーだらけになっているのも困る。ひどいものになると本来のメニューがどこにあるのかも分からなかったりする。小さな画像がたくさんあるので、読み込みにも当然時間がかかる。もっと困ったものになると、トップページを開いた途端にJavaか何かが動いて大量の小ウインドウが開くものもある。時にはこれが無限連鎖になってしまい、小ウインドウだらけになってしまうこともある。

 フレームの利用も個人的には嫌いである。広い画面で見ているならともかく、狭い画面をフレームによって分割されると可視範囲を更に狭めてしまい、情報の閲覧が困難になる。辛うじて許せるのは、サイト全体のインデックスを小さなフレームに配置し、各コンテンツ間の移動を楽にするタイプのものだが、これにしても、別にフレーム機能を無理して使わなくても実現可能なものである。ひどいのになると、ページ全体が4分割くらいにされていたり、他人のサイトをフレーム内に表示させたりする。迷枠、もとい迷惑なことこの上ない。

 うーむ、トップページ一つ取ってもこんなに文句が出てしまう。もっといろいろと言いたいことはあるのだが、それらは後編に譲ろう。


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