△ 不等辺じゃーなる 2004/06/20


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写真  はやしなるひこです。夏休み映画「69」の公開に先駆けてやっちゃいます。今日の稽古は村上龍の小説「69」から2シーン(サイモン&ガーファンクル編と天使の唇編)を。17歳の主人公の、なにせ瑞々しい会話を含んだシーンをテキストに、いろいろと遊んでみました。

 矢崎さん/バス?/いや/歩き/松井は?/うちは/バス/バス/混むやろ?/

 みたいな具合で、句読点ごとに読み手を替えてぐるぐる回して読みます。変形の朗読。上手に読めたら佐世保の方言がたぶん素敵な感じ。松井和子が「好いとぅ」とか言うの、いい感じだろうなぁ。とは思うのですが、句読点で区切ってしまうし、あっという間に自分の番が回ってきてもうたいへん。聞き惚れている余裕はなかとよ。おかしか? うちはキスしたことなか。みんなキスなんかしよるとやろうか?
 たえず4人のひとが声をそろえて読んでいて、そのなかでひとりの声だけを逃さずに聴いている(そうしないとタイミングを見失うので)。というのはおもしろいし、新鮮でした。普段あんなに一所懸命ひとの声を聴かないですね。…それってあれだろうか。まさに登場人物たちの「恋」してる感じとおなじだろうか。相手と自分のほかはいないのとおなじなのだ。(でも相手は私の声なんぞ聴いていないのだ…)。
写真
 そのあと。各シーンから句読点ブロックを3つ適当に選んで、それはかならず言うことにして、ペアで会話のエチュードのようなことをしました。テキストの情景もなるべく借りる。私が用意してきた曲もかける。この稽古、ひじょうによかったです。とくに「天使の唇編」の会話にはしびれた。じっさいキスはしないのに。ふたりの、なんて言うんだ。迫れない感じか? 瑞々しくて。胸が詰まるようでしたよ。曲はやっぱりS&G。ほかにニール・ヤング。「ジンギスカン」など。
 WSでいつもやる「ペンキ屋」。今日はこれも「69」の2シーンを使う。ざっと予習して、それっぽい情景を感じつつやりました。最高でしたね。「駅まで…送ろうか?」「お、ありがたいね」という会話とか。おかしいよね。うまく伝わるかなぁ。

 今日はさらに脚本を使う稽古も。甘夏ドリンカーさんの「兄弟達の家庭の事情」シリーズの1本を、挿入曲は東京スカパラダイスオーケストラの「君と僕」で。と書くと大笑いなさる方もいると思います。こりゃ先日の某高校演劇新人フェスの某高校の上演とホンも選曲もおなじだ。もちろん私なりに思惑があってのことですよ。「69」と並べたことに意味があります。
 ただ今日の私はスタミナ切れ。演出もお任せしてしまって、稽古の様子をただ眺めているだけでした。これがおもしろかったなぁ。偶然だけど、場所が和室なのもたぶん良かったね。ああ、そうやって演出するか。みたいなのもおもしろかった。

 早めに上がろうと思っていたのに、気がついたら時間ぎりぎり。居酒屋でも、今日の稽古のねらいを瑞々しく語っていたら終電を逃した。今日は1日が瑞々しかったです。みなさん、お疲れさまでした。(甘夏ドリンカーさん、ありがとうございました!)。

(写真:会話回し)

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