トップページ > ページシアター > よそびと診療所 > シーン50 【公演データ】
メル、ロロップを抱いている雪子に近づく。
メル 「ロロップ〜!」
雪子 「メル、ありがとう。」
メル 「ん?」
雪子 「今はこの子の体をかりてるんだ。」
メル 「ほえ。」
ノノ 「お陰で助かりました。」
雪子 「調子は?応急処置なので不具合があったらごめんなさい。」
ノノ 「いえ。なんだか前より調子がいい。」
ミュン 「あなたは一体…」
雪子 「皆さんが分かる言葉で言うなら…この銀河の担当医です。」
ノノ 「担当医?」
メル 「ロロップもお医者さんなのか?」
雪子 「はい。まだ50億歳のひよっこですが。」
ミュン 「50億歳…」
里桜 「なのにひよっこ…」
雪子 「宇宙船の操縦も初めてで、墜落させてしまいましたし、皆さんの持っている通信機とかも、ちょっと壊しちゃいました。ごめんなさい。」
ノノ 「そういう事でしたか…」
雪子 「僕らは別の宇宙からこの宇宙を見守っている存在なんです。生命ができる星に僕らが作った月を置いて、進化を見守り、時には導いて来ました。」
メル 「お月様もロロップが作ったのか?」
ミュン 「確かに我々の星にも似たような月があります。」
ノノ 「私に声が聞こえたのは…」
雪子 「まれに月と波長の合う方もいるようですね。」
里桜 「私もノノ先生の血液のお陰で聞こえました。なぜルーモが月にあったのかも。」
ノノ 「なぜなんです?」
里桜 「亜空間に捨てられたルーモは、モス爺の運転する宇宙タクシーと衝突して亜空間から飛び出し、一度月にぶつかってから地球に落ちた。その時にルーモを月に落としたって。」
ノノ 「でもスイッチはタクシーと一緒に地球に落ちて…」
シド 「モス爺が拾ってループタイにしてた。」
雪子 「そういう事ですね。」
里桜 「でも、どうしてゆっこの体を?」
雪子 「墜落時にたまたま近くにいたんです。でも乗り移ろうとしている途中で引き離されてしまって。」
ノノ 「中途半端な状態になってたんですね。」
雪子 「さて、そろそろ体を返さねば。」
シュワワワっと音がして雪子が正気に戻る。
雪子 「わ、やっと解放された。」
里桜 「ゆっこ、戻ったの?」
雪子 「戻ったみたい。」
ぬいぐるみ姿のロロップが話し出す。
ロロップ 「ご迷惑をおかけしました。雪子さん。」
雪子 「あ、いえいえ。なんか面白かったです。」
メル 「ロロップ帰っちゃうのか?」
ロロップ 「治療は終わったので。」
メル 「寂しいぞ。」
ロロップ 「僕もです。そうだ、一度僕を宇宙船に戻して下さい。この姿をぬいぐるみにして残します。」
メル 「ホントか?」
ロロップ 「はい。そしたら時々遊びに来ていいですか?」
メル 「いいぞ!なんなら毎日でもいいぞ!」
ロロップ 「ありがとう。」
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)