トップページ > ページシアター > よそびと診療所 > シーン25 【公演データ】
照明全体明かり。シェルタールーム。ノノ、メル、ソルト、ロッサ、ベルル、アトラ、モント、
里桜、雪子、モス爺、ミオ、ハナ、カンナ、荒川、炭原、TD、その他の患者がざわつく室内。
里桜 「なんだか穏やかじゃない空気…」
シャリーン、という音がして里桜が右耳を押さえる。
里桜 「え?…ロッサさん今何か言いました?」
ロッサ 「いえ、何も。」
里桜 「あれ?今、近くで声が聞こえたんだけどな。」
ロッサ 「なんて?」
里桜 「えっと、擦り傷を…診て欲しい?とかなんとか?」
ロッサ 「え?それって…」
ミュン、シド、コルティナ隊、アテナ、ペック、メック、が入って来る。全員緊張。
ミュン 「皆さん迅速にお集まり下さり感謝します。これから状況の説明を致しますが、銀河連合の超極秘情報を含むため、後ほど記憶から削除させて頂きます。」
みんなざわつく。
ミュン 「端的にお話ししましょう。銀河史上最悪の犯罪者「破滅王トロン」が脱獄し、この星に来ています。」
里桜 「おいおいおいおい…」
みんな更にざわつく。
コルティナ 「脱獄を助けたテロリストのイルージュは途中で自害したが、奴の宇宙船はトロンを乗せたまま、この地球付近にワープした事がわかった。」
シド 「たった今、この星にいる全ての異星人に戒厳令が出されました。」
アテナ 「現在、銀河連合軍と我々GUSSの全捜査官がトロンを捜している。」
ペック 「皆さんも事態が収まるまで、この診療所内にいて下さい。」
メック 「しばらくここが避難所になります。」
モス爺 「うちに帰らんで良かったぁ…」
みんながざわつく中、ミオが手を上げる
ミオ 「あの、質問いいですか?」
コルティナ 「どうぞ。」
ミオ 「その破滅王トロンって何者なんですか?」
カンナ 「銀河史上最悪って、何をしたんですか?」
ハナ 「私達の世代はよく知らなくて…」
コルティナ 「今から2万年前、トロンは大量殺戮装置ルーモを作り出し、ある星の全ての生命体の命を奪った。」
里桜 「え…?」
コルティナ 「すぐにトロンは捕らえたが、そのルーモは行方が分からなくなり、未だに見つかっていない。」
アトラ 「え?まさかその装置がこの星にあるんじゃ…」
みんなざわつく。
里桜 「ちょっと待って!もしそれを地球で使ったら…」
雪子 「地球上の生き物もみんな死んじゃうじゃん!」
里桜 「そうだよ!そんなのヤバすぎだよ!…え?ゆっこ、記憶…」
雪子 「ごめん、この部屋来た時辺りから戻ってた。」
里桜 「大丈夫?この状況、飲み込める?」
雪子 「うん。なんかわりと飲み込めた。」
里桜 「凄いな。あ、そうか、ゆっこも治療の副作用か。」
ロッサ 「え?この子には輸血はしてないけど?」
里桜 「え?」
コルティナ 「まだ確定ではないが、装置がこの星にある可能性は高いと言える。」
ソルト 「しかしどうやってこの星に装置が?トロンは事件後すぐに捕まったんですよね?」
ミュン 「2万年前、トロンの計画を知った連合は軍の特殊部隊を出動させました。当時私もその隊員の一人でした。」
ペック 「副長官があの部隊に?」
ミュン 「当時の私の部下の一人がシド管理長。」
メック 「え?管理長も特殊部隊におられたんですか?」
シド 「はい。」
里桜 「黄色いシャツ着てたんだ…」
シド 「私も現場に急行したのですが、残念ながらルーモの発動阻止に一歩間に合わず、その惑星の全生命と、仲間の隊員も犠牲になりました。」
ミュン 「その直後、惑星の宇宙ステーションでトロンを逮捕したのもシドさんです。」
ペック 「凄い。」
シド 「いえ、私が逮捕した時は、既にトロンは力尽きていました。しかもルーモを持っていなかった。」
アテナ 「ルーモはどこへ?」
シド 「亜空間に捨てたとのこと。」
里桜 「亜空間って…」
雪子 「ワープとかで使う空間。」
里桜 「ホントに存在したんだ…ってなんでそんな事知ってんの?」
雪子 「ん?何でだ?」
コルティナ 「亜空間内の調査は不可能に近いため、結局2万年間見つける事ができなかった。」
シド 「この星が連合の管理下に入ったのは1万8千年前ですから…」
コルティナ 「2万年前にルーモが落ちたとしても記録にはない。」
ミュン 「ノノさん。例の墜落した宇宙船の未確認生命体は?」
ノノ 「調査中ですが、宇宙船を含め、この銀河の物ではありませんでした。」
里桜 「墜落した宇宙船ってもしかして…」
雪子 「私達が巻き込まれたやつだ。」
ミュン 「いずれにせよ我々が引き取りましょう。」
メル 「ロロップを連れて行っちゃうのか?」
ミュン 「ロロップ?」
ノノ 「仮の名称です。」
メル 「まさか殺さないよな?」
コルティナ 「事によっては始末しなければならない。」
メル 「ロロップは殺戮装置じゃないぞ!」
ノノ 「メルさん落ち着いて。」
ミュン 「生物は今どこに?」
ソルト 「最深階の観察室に。今モニターでお見せします。」
ソルト、モバイルを操作する。みんな正面(客席)のモニターを見る。
ソルト 「あれ?」
コルティナ 「どうした?」
ソルト 「モニターが映らない。故障か?」
コルティナ 「なに?」
ベルル 「まさか何かあったんじゃ?」
突然ミュンが苦しみだす。
ミュン 「うっ…!」
コルティナ 「副長官?」
ノノ 「お母様?どうされました?」
ミュン 「苦しい…」
ロッサ 「奥様?!」
アトラも苦しみだす。
アトラ 「うっ…!」
モント 「アトラ?」
里桜 「なに?」
モント 「アトラも苦しみ出しました!」
ノノ 「2人を診察室に!」
ロッサ 「はい!(ベルル、ミオ、カンナ、ハナに)皆さん手伝って!」
ベルル、ミオ、カンナ、ハナ 「はい!」
コルティナ 「我々は副長官を!」
コルティナ隊 「ラジャ!」
シド 「私も行きます!」
ミュンをコルティナ隊とシドが、アトラをモント、ロッサ、ベルル、ミオ、カンナ、ハナが支える。
ノノ 「ソルト先生は地下の観察室に!」
ソルト 「はい!」
アテナ 「ペック、メック、あなたたちも!」
ペック・メック 「ラジャ!」
メル 「メルも行く〜!」
アテナ 「ここは私に任せろ。」
ノノ 「お願いします。」
ノノ、アテナに会釈してミュンたちを追う。
アテナ 「後の皆さんはここで待機です!」
見せ暗転。
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)