△ 「よそびと診療所」シーン22


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全体明かり。404号室。座っている雪子を囲むように、里桜、ロッサ、アトラ、モント、モス爺。

雪子 「ながの…ゆきこ…」写真
里桜 「そう、それがあなたの名前。」
雪子 「ううう…」
里桜 「ゆっこ?」

雪子、一度頭を下げるが、すぐに顔を上げ

雪子 「いたたた…頭いたぁ…あれ?…里桜?何してんの?」
里桜 「え?」
雪子 「ってかここ病院?どうなっちゃったの私?」
里桜 「ゆっこ?私がわかるの?」
雪子 「え?何言ってんの里桜。」
アトラ 「記憶戻ってません?」
ロッサ 「そうみたいだけど、こんな瞬時に戻る事なんて…」
雪子 「え?私、記憶なかったの?…あ!もしかしてあの時の光がバーッてなったやつのせい?」
里桜 「そうそう!良かったよ戻って〜。」
雪子 「ねえ?あの後どうなったの?里桜は無事みたいだけど。」
里桜 「それがその…ちょっと説明が難しくて…実はね、この病院は…」

雪子、また気を失う。

雪子 「うっ…」
里桜 「ゆっこ?」

雪子、また意識が戻る。

雪子 「うう…ながの…ゆきこ…なまえ…」
里桜 「え?」
アトラ 「これ、また記憶失ってません?」
里桜 「どういうこと?!」

そこにメルが入って来る。

メル 「おお!いたいた!(モバイルに)アテナ!みんな404号室だよ!」
ロッサ 「メルさんどうしたの?そんなに慌てて。」
メル 「連絡してるのに繋がんないからさ!」
ロッサ 「繋がらない?(モバイルをいじって) あら?これ動いてないわ。故障かしら?」
メル 「(雪子を見て)あ!その子意識戻ってるじゃん!」
里桜 「ええ、そうなんですけど、なんだか変な状態で…」
ロッサ 「それより連絡って?」
メル 「そうそう、この病院、シールドで隔離されるって。」
ロッサ 「隔離?どうして?」
メル 「お客さんが来るから。」
ロッサ 「お客さん?どなた?」
メル 「えっと、銀河…なんとかと…えっと…愉快な仲間たち。」
モント 「銀河なんとかと?」
アトラ 「愉快な仲間たち?」
モス爺 「ざっくりし過ぎじゃな。」写真
メル 「あれ?!なんでじじいがいるんだ?!外来時間とっくに終わってっぞ!処すぞ!!処すぞ!!」
モス爺 「ひいい!!」

モス爺に襲い掛かろうとするメルをみんなで止める。

ロッサ 「院内でござる!院内でござる!」
モス爺 「そうだ!これあげるからこれ。前から欲しいって言ってたよね?」

モス爺、ループタイを外してメルに差し出す。メル、受け取り微笑む。

メル 「まあ、今回は許す。」

みんなホッとする。

メル 「ん?まあ?…まあまあ?…そうだ!ママが来るんだ!ノノの!」
ロッサ 「ノノのママ?あ、なんだノノ先生のお母様…なぁ〜んですってぇ〜〜っ!!!」
モント 「ノノ先生のお母様って、銀河連合の副長官の?!」
里桜 「副長官?!」
ロッサ 「一体どうして奥様が?!ノノ先生は?!」
メル 「フリーズしたから後で来る。」
里桜 「フ、フリーズ?!」
ロッサ 「こんな時に!と、とりあえず私が出迎えに行ってきます!」
メル 「行かなくていいよ。アテナたちが連れて来る。さっきこの部屋に呼んだから。」
ロッサ 「こ、この部屋に?みんな急いで隠れましょう!」

みんな隠れようとするが

ロッサ 「いやいや違う違う!みんな隠れてどうする!」
アトラ 「お、お茶を用意します!」

アトラ、モント、走り去る。

ロッサ 「そうそう、お茶!お茶の用意を!いやいや違う違う!お茶なんてどうでもいい!落ち着け私… (メルと目が合い)そうよ!メルさんあなたよ!あなた、見つかったら殺されるわ!」
里桜 「殺される?!」
ロッサ 「奥様はまだ先生が医者になった事も、メルさんとの結婚もお許しになってないの!」
里桜 「え?」
ロッサ 「しかも副長官は、その昔銀河最強と言われた戦士!」
里桜 「銀河最強?!」
ロッサ 「とにかく!メルさんを隠して!」

みんなでメルにシーツをかけて隠す。

メル 「うわあ、なにこれ?」
ロッサ 「かくれんぼ!出て来ちゃだめよ!」

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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