△ 「よそびと診療所」シーン16


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上手の照明が消え、機械音。下手が明るくなると地下最深階。ノノ、メル、ソルトが立っている。

ソルト 「いつになく搬入が慎重ですね。」
ノノ 「ええ。月が…」
メル 「月の声もヤバイって言ってるのか?」
ノノ 「ええ。相当ヤバイ感じです。」

そこへシドとムーンベースの医師ベルルが入って来る。

シド 「ドクターノノ。」写真
ノノ 「シドさん、お待ちしておりました。」
ベルル 「ノノ先生、ソルト先生、メルさん、新人研修以来ですね。その節はお世話になりました。」
メル 「ベルルっち〜!」
ソルト 「久しぶりだな〜。」
ノノ 「ベルル君が今回の患者を?」
ベルル 「はい。担当したので同行しました。」
メル 「ねーねー、チョーゴクヒの患者ってどんななん?」
シド 「実は…三日前に墜落した例の宇宙船の乗組員らしいんです。」
ソルト 「え?あの宇宙船は無人だったはずじゃ…」
シド 「船内にあった金属の様な球体が、調査中に突然生物に変形して…」
ソルト 「金属が生物に?」
メル 「変身ならシドっちもできるじゃん。」
シド 「私が変身できるのは生き物だけ。流石に金属は無理です。」
ベルル 「宇宙船の機体も未知の物質で、少なくともこの銀河の物ではありません。」
ノノ 「それじゃ別の銀河から?こりゃ前代未聞ですね。検査の結果は?」
ベルル 「脳も内臓も呼吸器も確認できましたが…その…」
ノノ 「ん?なに?」
ベルル 「脳波もなく、心肺も停止しているんです。」
メル 「え?それ死んでるじゃん。死体じゃん。」
ソルト 「ご遺体はここではちょっと…」
ノノ 「沢口靖〇さんの所に持ってってもらわないと。」
ベルル 「いや、遺体とは違うんです。手足も動くんです。」
ノノ・ソルト・メル 「なんじゃそりゃ?!」
メル 「(嬉しそうに)ゾンビじゃん!ゾンビ〜!」
ベルル 「とにかく私だけじゃどうにもならなくて…」

アテナが入って来る。

アテナ 「準備が整いました。」
シド 「ありがとう。行きましょう。」

全員頷きハケる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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