トップページ > ページシアター > よそびと診療所 > シーン8 【公演データ】
そこへエクセローズ改めメルが走って来る。後ろから黒服の2人、ペックとメックも。
メル 「ノノ〜!!」
ロッサ 「病院内は走らない!…あ、この子はメルさん。一応医者です。」
里桜 「この子も医者…」
メル 「意識が戻ったっつうから、黒服さんたち連れて来たぞ!トムとジェリー!」
ペック 「ペックと」
メック 「メックだ。」
里桜 「え?もしかして逃走する人を追いかける…」
ペック・メック 「ハンターじゃありません。」
ペック 「我々はGUSS銀河連合治安局の地球支部捜査官です。」
里桜 「捜査官?じゃまさか、あれですか?…メン・イン・ブラック的な?」
メック 「的な。」
ぺック 「意識が戻られたばかりで申し訳ありませんが、あなたの記憶を確認させて頂きます。」
里桜 「は?記憶を確認?ってどうやって…」
みんな自分のモバイルの画面を見る。メル、ヘッドフォンの様なものをつける。
メル 「こうやってでぃえ〜す。」
メル、里桜の頭に手かざし。
里桜 「なんですか?」
照明が暗くなりテープの早回しの様な音がする。照明が戻り
里桜 「うわぁ!」
メル 「終了〜!」
メック 「すぐに分析にまわします。」
ペックが通信。
ペック 「ペックです。終了しました。」
ペック、通信を切りメックに頷く。メックも頷き返す。
ペック 「では失礼。」
メル 「じゃあな、チップとデール。」
ペック 「ペックと」
メック 「メックだ。」
ペック、メックハケる。
里桜 「…今の映像って…事故の時私が見た光景…?」
ロッサ 「この子があなたの記憶を読み、その映像をモバイルに転送したの。少しは信用できたかしら?」
メル、里桜の頭に手かざしするとハウリングの様な音。
メル 「おお、結構信用度が上がって来たぞ。」
ロッサ 「どのくらい?」
メル 「六割六分八厘。」
ロッサ 「微妙。」
メル 「でも好奇心はマックスだぞ。」
ロッサ 「おお、さすがお医者さん。」
里桜 「え?そんな事まで…」
そこへ医師のソルトが入って来る。
ソルト 「先生。管理長から連絡が。」
ノノ 「シドさんから?え、まさかE・T・?」
ソルト 「はい。E・T・です。」
里桜 「E・T・?…CTだよな…まさか父さんと同じ間違いしてる?」
ノノ 「(里桜に)とりあえず私はこれで。ロッサ、後は。」
ロッサ 「はい。」
里桜 「あ、あの!」
ノノ 「はい?」
里桜 「差支えなければ、その…ここの医療の見学とかって…」
ノノ 「ああ、いいですけど。退院する時、記憶消されちゃいますよ。」
里桜 「構いません。」
ノノ 「わかりました許可します。」
里桜 「ありがとうございます!」
ノノ 「では、失敬。」
ソルト 「失敬。」
ノノ、ソルト、ハケる。メルも後を追うようにハケながら
メル 「では、死刑。」
ロッサ 「死刑じゃなくて失敬でしょ!」
メル、戻って来て里桜のそばへ。
メル 「でもぉ〜、ノノに手を出したらぁ〜(急に怖い顔になり)ホントに死刑。」
里桜、息を飲む。メル、笑顔に戻りスキップでハケる。
メル 「ノノ〜!」
灯り、上手のみに。
ロッサ 「こら!スキップもだめでしょ!…ホントにあの子はもう…」
里桜 「今のって…」
ロッサ 「あ〜ごめんなさいね、メルさんはちょっと特殊な子で…あぁ、地球人にとっては私たちみんな特殊よね。」
里桜 「目がマジでした…」
ロッサ 「嫉妬深いのよ。奥さんだし。」
里桜 「お、奥さん?!ノノ先生の?」
ロッサ 「超訳あり夫婦だけど。」
里桜 「それにしたって医者が死刑だなんて冗談でも…いや、あれは本物の殺意でした…」
ロッサ 「そりゃ元殺し屋ですからね。」
里桜 「なるほど殺し屋か。どうりで…殺し屋?!!医者と正反対の仕事じゃないですか!!」
ロッサ 「あらもう術が解けた?まあ落ち着いて。そんなんで驚いてちゃこの後の見学なんてできませんよ。」
里桜 「こわい…宇宙こわい…」
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)