△ 「インヴィジブル・ファイア」シーン10


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暗転中サイレンの音、明転すると桜ヶ丘出張所。大久保が元気なく座っている。そこへ宇崎が入って来る。

宇崎 「お疲れ。あれ?大久保?曽田は?」
大久保 「あ〜宇崎さん!聞いて下さいよ!」写真
宇崎 「なんだよいきなり。」
大久保 「いや昨日、すごいことがあったんです!」
宇崎 「なに?」
大久保 「実は僕、ツイッターで炎上しかけたんですよ。」
宇崎 「え?!なにやってんの?消防士が炎上させてどうすんだよ。」
大久保 「いや、アカウント乗っ取られて勝手な事されちゃって。」
宇崎 「え〜…」
大久保 「でもなんと!第七消防隊が助けてくれたんです!」
宇崎 「第七?って…都市伝説の?」
大久保 「都市伝説じゃなかったんですよ!ホントにいたんです!」
宇崎 「まじか…そりゃすごいな。」
大久保 「あ、信じてない!ホントなんですよ!信じて下さい!」
宇崎 「わかった、信じる…努力をする。でも本物の消防士がネットの消防士に助けられるって…」
大久保 「だから恥ずかしくて、宇崎さんにしか話せなくて…」
宇崎 「その話は後でじっくり聞こう。それより、なんで曽田じゃなくてお前がいるんだ?」
大久保 「あ、そうでした。実は曽田さんから体調不良で点検行けないから、僕に代わりに行ってほしいって。」
宇崎 「体調不良?大丈夫なのか?」
大久保 「大丈夫です。ただの失恋ですから。」
宇崎 「失恋?!仕事なめすぎだろ!」
大久保 「みんなにうつしちゃ悪いからって。」
宇崎 「うつってたまるかそんなもん!」
大久保 「曽田さん、連続でデートすっぽかして、キレた女性にお店でコップの水ぶっかけられたって。」
宇崎 「消防士が水かけらてどうすんだよ…」写真
大久保 「見事にハートの火を消火されたようです。」
宇崎 「それで体調不良って…」
大久保 「顔が濡れて力が出ないって言ってました。」
宇崎 「アンパンマンか!!」
大久保 「ま、今日は人が足りてるから大丈夫ですよ。」
宇崎 「お前それでいいのか?人が良すぎだよ。」
大久保 「大丈夫です。ちゃんと焼肉おごってもらう事にしましたから。さ、行きましょう。」

大久保去る。

宇崎 「お前…ちゃっかりしてるな。」

宇崎、大久保を追ってハケる。暗転。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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