「インヴィジブル・ファイア」シーン５ 「インヴィジブル・ファイア」シーン５トップページ > ページシアター > インヴィジブル・ファイア > シーン５ 【公演データ】
字幕『倍文殊作戦』明転するとＶＲの世界。みんなバラバラに立っている。背景は暗め。
瀬名 「入りました。」
瀬名以外 「おお〜！」
みんなキョロキョロ。
御厨 「これがネットの世界か？」
瀬名 「いえ、まだネットには入っていません。私のパソコン内です。」
めぐみ 「これ、自分の姿は見えないんですね。」
御厨 「相手には気づかれないのか？」
瀬名 「はい。姿も声も。」
麻耶 「あ、キーボード出てきた。」
瀬名 「里子さん麻耶さんめぐみさんはそれを使って下さい。」
里子 「了解。」
上底 「これ、どうやって進むの？」
瀬名 「体を傾けると進めます。」
めぐみ 「ほんとだ！セグウェイみたい！」
御厨がうまく進めない。
御厨 「あれ…うまく進めん…いてっ！！なんかに足ぶつけた！」
御厨、ゴーグルを外す。
御厨 「なんだ机か。」
里子 「御厨さん、ほんとに歩いちゃだめですよ。」
上底 「実際は狭い部屋にいるんだから。」
御厨、ゴーグルをかける。
御厨 「わかってるって！ちきしょう、難しいな。」
アラームが鳴る。
瀬名 「結界を探知しました！ネットに入ります！」
瀬名以外 「了解！」
みんな瀬名を追ってハケて行く。御厨だけあちこちフラフラしながらついて行く。
御厨 「おいおい、ちょっと待てって！ああもう！」
御厨がハケて照明が変わり、カラフルなネットの世界。瀬名を先頭に御厨以外出てくる。
里子 「ネット内に入ったわね。」
めぐみ 「わあ！広い！」
御厨がフラフラしながら追い付く。
御厨 「おい！俺をおいていくなよ！」
上底 「迷子の迷子のお巡りさんになっちゃうよ〜。」
御厨 「なんだか眩しいなここは。」
瀬名 「わかりやすいようにゾーンが色分けしてあります。」
里子 「赤いゾーンが危険な場所だとか？」
瀬名 「いえいえ、あの赤いゾーンはユーチューブです。」
麻耶 「ああ、そうゆう分け方？」
めぐみ 「よくみると『ユーチューブ』って書いてありますよ。」
麻耶 「あ、ほんとだ。」
上底 「あっちの緑のゾーンは『ライン』って書いてある！」
里子 「あそこの黒っぽい所には『ティックトック』って！」
御厨 「あの辺一帯の赤と青と緑と黄色の場所は…」
めぐみ 「グーグルだ！」
里子 「じゃあ、あのちっちゃいオレンジの場所は？」
麻耶 「え？なんだろ？なんか白い文字が見えるけど。」
めぐみ 「アルファベットのＭですね。」
上底 「Ｍ？マック？」
御厨 「いや違う…あれは…」
めぐみ以外 「ミクシーだ！」
めぐみ 「え？ミクシーってなんです？」
全員めぐみを悲しそうに見て。
めぐみ以外 「あ〜…」
上底 「うわ！あそこ！なんか箱がいっぱい飛んでる！」
里子 「あれはアマゾンですよ！」
御厨 「お、おい！あっちは人がたくさん飛んでるぞ！」
上底 「なんだありゃ？」
里子 「みんな何かに乗ってませんか？」
麻耶 「サーフボードだ！」
めぐみ 「サーフボードって事は…」
瀬名 「『ネットサーファー』です。」
瀬名以外 「わかりやすい！」
めぐみ 「わぁ！見て下さいあっちの方！青い鳥がいっぱい飛んでます！」
里子 「すごい数！」
上底 「聖蹟桜ヶ丘駅前のムクドリの大群より遥かに多いぞ！」
瀬名 「あの辺りが『ツイッター』のゾーンです。」
瀬名以外 「なるほど〜。」
瀬名 「結界の反応はあの辺です。行きましょう。」
みんなハケに向かう。御厨だけまたフラフラして遅れをとる。
御厨 「あ〜クソぉ！待ってって！あ〜もう！むかつくな〜これ！」
御厨ハケる。
（作：松本じんや／写真：はらでぃ）
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