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暗転の中、音楽がかかる。3人女性達の会話が聞こえる。
声1 「ねえねえ、第七消防隊って知ってる?」
声2 「え?何それ?」
声3 「聞いた事ない?ネットの炎上を消す消防士達。」
声2 「あ、なんか聞いた事あるけど、それって都市伝説でしょ?」
声1 「そうだけど、実際炎上のニュース減ってない?最近。」
声2 「あ〜確かに。」
声3 「炎上したら助けて欲しいけど、確か呼ぶ方法がないんだよね。」
声2 「え?そうなの?」
声1 「あっちが見つけて勝手に来る。」
声3 「しかも悪質な被害を受けた人だけを助けに来るんだって。」
声1 「自業自得の炎上なんか絶対助けてくれない。」
声2 「そうなんだ…本当の消防士と全然違うね。」
声3 「全然違う。でも、怖いのは火をつけた人への対応。」
声2 「対応?」
中央にサス、モバイルを持つ男(放火魔)が立っている。
放火魔 「なんだ?俺のコメントが消えたぞ?あれ?他の奴のもだ。」
声1 「対応というか始末?」
放火魔 「なんだよせっかく上手く火ぃつけて燃え広がってたのに! 」
声3 「そうそう、あれは消防士というより、必殺仕事人。」
声1 「あれじゃ炎上させようなんてとても思えないよね。」
声2 「始末って…まさか殺されちゃうとか?」
声3 「違うけど…でも…」
声1 「まぁ…ある意味そうかも…」
放火魔 「え?おいおい、元の書き込みまで消えてんじゃねえか!何なんだよこれ?!」
必殺風の音楽。上手と下手の台上にに消防士3人のシルエット。せんたが動くとシャキン!という抜刀音。
放火魔 「あれ?待てよ、これ、俺の個人情報?なんで晒されててんだよ!名前、生年月日、アドレス、住所、マイナンバーもじゃねえか!」
めいが動くとズブッ!という突き刺し音。
放火魔 「ぐへっ?…そんな…馬鹿な…好きな食べ物、好きな芸能人、は…初恋の人?! こ、こんな情報どこにも流してねーぞ!!」
らくすけが動くとズバッ!という斬撃音。
放火魔 「ぶわっ!…これまでのやり口も全部晒されてる!ちきしょう消えねー!どうなってんだこれ?! …まさか…これってあの…あの!…」
放火魔の周りに火が着く。
放火魔 「うわあ!ヤバイ!火だ!誰か助けてくれ!!」
瞬く間に炎上!
放火魔 「うわあ!ダメだ!もう終わりだあぁぁ!…」
放火魔、頭を抱え跪く。音も照明も落ち、消防士3人にスポット
せんた 「放火魔、始末終了。」
3人 「ナ〜ム〜。」
暗転。
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)
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