△ 「宇宙海賊とヒミツの星」シーン1


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字幕「アーモンドの記憶 2024年 アメリカ フロリダ州 コールドスリープセンター」
鳥のさえずり。ゆっくり明転すると、アーモンドが椅子に座ったまま眠っている。
そこに少年ウィルと少女エリザベス(リズ)が現れ、アーモンドが眠っているのを見つける。
ウィルがアーモンドを脅かそうと近づくが

リズ 「駄目よウィル。せっかく気持ちよさそうに寝てるのに。」
ウィル 「し〜っ!リズの声も大きいって…」

アーモンドが目を覚ます。

アーモンド 「あれ?…僕…寝てた?」写真
ウィル 「ほら起きちゃた。」
アーモンド 「ウィル。リズちゃん。」
リズ 「おはよう、アーモンド君。」
アーモンド 「なんか、ウトウトしちゃった。」
ウィル 「ハハハハ。明日から長〜い眠りに入るのに、居眠りなんてもったいないなぁ。」
アーモンド 「そうか。ウィルも僕も明日コールドスリープに入るんだったね。」
ウィル 「え?まさか忘れてた?」
アーモンド 「いや、ちょっと寝ぼけてる。」

ウィルとアーモンドが笑う。しかしリズはうつむく。

アーモンド 「あれ?どうしたのリズ。」
リズ 「だって…」
ウィル 「あ、ごめん。長い眠りなんて言っちゃったから。大丈夫、きっとすぐに薬が開発されて復活するさ。」
リズ 「でも、もしそうじゃなかったら…。」
ウィル 「何年後に目覚めても、絶対リズと結婚するから。」
リズ 「私が…おばあちゃんになっていても?」
ウィル 「もちろんさ!」
アーモンド 「お〜、あついあつい。」
ウィル 「あたりまえだよ。ここはフロリダだもん。」
リズ 「ウィル!」
ウィル 「ジョークジョーク。」

3人笑う。

アーモンド 「でもすごいね。12歳で婚約者がいるなんて。」
ウィル 「僕らは7歳で出会った時から、お互いに将来結婚する人だって思ってたんだ。」
リズ 「本当は婚約なんてできない歳だけど、こんな状況だからお互いの両親が許してくれたの。」
アーモンド 「僕もお見舞いに来てくれるガールフレンドがほしいなぁ。」
ウィル 「君は明日もパパとママが来てくれるからいいじゃないか。うちは誰も来てくれないんだ。」
アーモンド 「明日でしばらくお別れなのに?」
ウィル 「ま、僕はリズがいてくれればいいけどね。」
アーモンド 「またまたあつい。」
リズ 「フロリダですから。」

3人笑う。ゆっくり暗転。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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