トップページ > ページシアター > 迷い子なカミサマ > シーン25 【公演データ】
ドンという音の後に明転するとバッカス号内。クルー5人と朝倉、閻魔がいる。
川藤 「心の海域突入成功。」
神道 「現在心深度50。」
川藤 「さあ、今度こそコアであってくれよ。」
御船 「心深度70付近から気泡の音がします。」
朝倉 「お!来たか?」
御船 「見えて来ました!オレンジ色の海域です!」
閻魔 「ビンゴ!」
川藤 「これがコア…」
新垣 「すげー…」
朝倉 「ホントにファンタオレンジだなこりゃ。」
川藤 「戻りますか?」
閻魔 「ちょっと調べたい事があるの。もう少し潜ってくれる?」
川藤 「了解です。このまましばらく潜航。」
神道 「ヨーソロー。」
御船 「あれ?おかしいです。」
新島 「どうしたの?」
御船 「海水そのものが別の人間のものと混じっています!」
川藤 「海水が混じっている?!」
御船 「あ、これは…あきらさんです!あきらさんと全く同じものです!」
川藤 「なんだって?!」
新島 「この人の心の中に、あきらさんの海が入り込んでる?」
川藤 「ありえない。それじゃ魂が2つ存在してしまう。」
閻魔 「過去の心の海よ。」
川藤 「え?」
閻魔 「この海水は過去のあきらさんのもの。」
新島 「過去のあきらさん?」
閻魔 「ええ、おそらく子供の頃の。」
御船 「記憶の映像が見えて来ました!」
朝倉 「あれ?あの人ってどこかで…」
閻魔 「幸恵さんです。」
朝倉 「そうだ!あきらくんの叔母さんだ!これ若いころの映像だけど間違いない!」
川藤 「やはりあきら君が子供の頃に見た映像か。」
新垣 「あ、あれ!まただ!あれ神道だよな?」
神道 「あ…」
御船 「あきらさん、とても苦しんでいます!」
神道 「あきら…」
朝倉 「他にもいろんな映像が出て来たぞ!」
閻魔 「皆さんご協力ありがとう。これで全てわかったわ。」
川藤 「謎が解けましたか?」
閻魔 「ええ。急いで戻りましょう。」
川藤 「了解。これより軍港に戻る。おもーかーじいっぱーい。」
神道 「おもーかーじいっぱーい。」
閻魔 「こんな時なんだけど、神道浩(しんどうひろし)さん。」
神道 「はい?」
閻魔 「あなた、名前の読み方、変えてますよね?」
川藤 「は?」
新島 「名前の読み方?」
閻魔 「本名は同じ漢字を書いて、神道浩(じんみちはる)。」
川藤 「神(じん)?ってまさか…」
閻魔 「あなた、あきらさんの…父親ですね。」
全員 「え〜っ?!!」
新島 「新道君、ホントなの?」
神道、頷く。
川藤 「どうして黙ってたんだ?」
神道 「すみません…」
閻魔 「朝倉さん、操舵代わって下さいます?」
朝倉 「あ、はい。失礼。」
朝倉、神道と操舵を代わる。
閻魔 「港に着くまで、色々お話聞かせて頂きますよ。」
神道 「…はい…。」
暗転
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)