△ 「迷い子なカミサマ」シーン15


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下手が明るくなると、潜水艦バッカス号の中、川藤、新島、御船、神道、新垣が出動の準備をしている。

新島 「艦長、またとんでもない任務を請け負いましたね。」写真
川藤 「神様と閻魔様からの直接のお願いじゃ断れないでしょ。」
新島 「断る気もないですよね。」
新垣 「しかしわざわざこの艦をご指名とは…」
神道 「神様も物好きというか…」
御船 「名誉な事ですよ。」
川藤 「お!御船さんいいこと言った!そうだよ名誉な事じゃない。」
新島 「確かにこの艦の任務の成功率は高いですが…」
川藤 「高いよ。」
新島 「艦長は運に頼りすぎです。無鉄砲が過ぎます。」
川藤 「運も実力の内ってね。」
新島 「もっと乗組員の運命を背負っているっていう自覚を…」
川藤 「新島副長。眉間のシワ、似合いませんよ。」
新島 「誰のせいですか。」
新垣 「艦長、大丈夫です。」
神道 「みんなついて行きますよ。」
御船 「地獄の底まで。」
川藤 「ありがとう!」
新島 「みんな優し過ぎます。」
川藤 「副長も、もっとこう大船に乗った気持ちでさ…」
新島 「沈む船ですけどね、潜水艦は。」
川藤 「うまい。」
新垣 「でも、神様たちが直接乗り込むなんて前代未聞じゃないですか?」
神道 「緊張しますね。」
新島 「あ、お見えになったようです。」

5人整列。ランゼ、新任神様、ミルキー、スーザン、朝倉、閻魔の順で入って来る。

ミルキー 「ホントに潜水艦なんだ。」
ランゼ 「操縦室狭(せま)っ!」
神道 「え?まさかあれが神様?」
御船 「閻魔様かも。」
新垣 「ロリロリの萌え萌えじゃないですか。」
新島 「多分違うでしょ。」
新任神様 「皆さん。ご協力感謝します。」
川藤 「あの、神様でいらっしゃいますか?」
閻魔 「まだはっきりとお答えできませんが、私と彼女が天国と地獄の使いのものです。」
川藤 「了解です。」

神道が新任神様を見て動揺しだす。

神道 「…トワ?」
新任神様 「え?」

神道、新任神様に駆け寄る。

神道 「トワ!トワじゃないか!どうしてこんなところに?!」
新任神様 「あ、あの、トワって?」

神道、人違いに気づき

神道 「あ…、違う…失礼しました。知り合いによく似ていたもので…」
新任神様 「あ、そうなの?びっくりした…あれ?さっきも誰かに…」
閻魔 「川藤さんですね。」写真
川藤 「はっ!潜水艦バッカス号艦長、川藤賢治です!」
新島 「副長、新島八重です!」
朝倉 「新島八重?って、あの幕末の、会津藩の、鉄砲隊の?」
新島 「はい。」
川藤 「こちらがクルーです。」
新垣 「レーダー担当、新垣謙です!」
神道 「操舵手、神道浩です!」
御船 「マインドソナー、御船千鶴子です!」
朝倉 「御船千鶴子?って、あの明治の、超能力者の、貞子のモデルの?」
御船 「はい。」
ランゼ 「貞子ってあの井戸から来る、きっと来る人?」
御船 「の、モデルです。」
ミルキー 「良く知ってますね。」
朝倉 「歴オタなんで。いや、感激だわ〜。」
川藤 「そちらが例の…」
新任神様 「今回の時空混乱に巻き込まれた人たちです。」
新任神様 「他に別々の時代や世界から来た人間が9人います。」
閻魔 「艦長、作戦の手筈は?」
川藤 「整っております。」
新任神様 「ではお願いします。」
川藤 「はい。総員持ち場に着け!」

クルー、スタンバイ

新島 「各所最終確認報告。」
新垣 「レーダー、異常なし!」
神道 「操舵システム、異常なし!」
御船 「マインドソナー異常なし!」
川藤 「これより、コア捜索作戦開始。神明の心の海に潜る。心を一つに!」

クルー胸に手を置き、皆目をつぶり集中。

ミルキー 「心を一つに?」
閻魔 「この艦のエンジンを動かすのは乗組員全員の「気」です。」
朝倉 「気?」
ランゼ 「なんかかっこいい!ランゼもやる!」

ランゼをかわきりにみんな胸に手を置く。

神道 「チャージ完了。」写真

全員目を開ける。

川藤 「エンジン始動!」
神道 「エンジン始動!」
川藤 「出航!」
全クルー 「出航!」
川藤 「微速前進。」
神道 「微速前進。」

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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