△ 「スパイシー・エージェンツ」シーン15


トップページ > ページシアター > スパイシー・エージェンツ > シーン15 【公演データ

<前一覧次>

照明、公安地下施設。上手からローズが出て来る。下手から瀬名が出て来る。

瀬名 「ローズ主任!すみませんお呼び立てして。」写真
ローズ 「いえ。」
瀬名 「実は、すごい事がわかっちゃって。」
ローズ 「すごい事?」
瀬名 「こないだ空砲が実弾になってた事故。あれ、管理係のミスじゃなかったんです。」
ローズ 「どういう事?」
瀬名 「ミスじゃなくて、故意に仕組まれてたんです?」
ローズ 「故意に?」
瀬名 「まず、公安には派閥がありますよね?我々ダブの人間に協力的な派と、敵視派。」
ローズ 「…初耳ね。」
瀬名 「管理係の一部にこの敵視派がいて、そいつらがトマトちゃんの銃に実弾を仕込んだんですよ。」
ローズ 「何か証拠でも?」
瀬名 「本人が自供しました。そして、あなたがそれを指示した事も。」
ローズ 「…一体なんの話?」
瀬名 「え?否定しちゃいます?」

上底、コト、ミー、服部、金沢、上手から現れる。

上底 「ローズ主任悪いね、ちょっと急ぎの案件があって解決急いじゃった。」
ローズ 「何かの間違いだ。私は関係ない。」
上底 「どう?コトちゃん?」
コト 「この人嘘言ってまーす。能力者を嫌ってま〜す。特にミーちゃんを〜。」
ミー 「え?」
ローズ 「何この子?」
上底 「人の心が読めちゃいま〜す。」
ローズ 「成程。」

下手からスマートが入って来る。

スマート 「あなたに指示をした上の者も先ほど更迭されました。残念ですがしばらく監禁させて頂きます。」
ミー 「主任!…どうしてですか?」
ローズ 「わからない?あんたたちのせいでそのうち我々スパイはお払い箱にされる。どんなに優秀なスパイでも、あんたたち化け物にはかなわない。我々の努力も、犠牲も、全て無駄になる。」
瀬名 「マイナス思考だなー。」
ローズ 「悪い能力者は敵。いい能力者も仕事を奪う敵。マイナスの要素しかない。」
上底 「おまけに大事な仲間をたくさん殺された。」
ローズ 「その光景は記憶から消せない。私にとってはもう、あなたがたは一生化け物。理屈ではない。」写真
服部 「気持ちはわからんでもないが、それでも、その理屈の上を歩いていかなければ、世界平和など永遠に来ない。」
ローズ 「あなたは?」
服部 「この子の父親だ。」
ローズ 「え?…それじゃあなたがサソリの旦那…」
服部 「サソリ?なんだそれは?」
ローズ 「…そこのみなさんに聞くといい。」
服部 「は?」

上底、服部、渋い顔。

上底 「ということで、少しの間はったりちゃんをここへおかせてもらうよ。」
スマート 「私が許可します。」
瀬名 「上の許可は?」
スマート 「今上はそれどこじゃない。」
上底 「だろな。」
スマート 「ローズ主任。こちらに。」

スマート、ローズを連れて上手に向かう。

ミー 「ローズ主任!」

ローズ止まる。

ローズ 「謝罪はしないよ。」

ミー頭を下げる。

ミー 「ありがとうございます。」
ローズ 「え?」
ミー 「ものすごく、いい勉強になりました。」

金沢も頭を下げる。ローズ軽く鼻で笑いスマートとハケる。

上底 「器用過ぎて、不器用な人だよなぁ。」
瀬名 「あ、それも使えそう。」
上底 「使っちゃって使っちゃって。」
服部 「やっぱり危険だ。あんなのがいるような仕事は。」
ミー 「全然わかってない。」
服部 「わかってないのはお前だ!味方の中に命を狙う敵がいる仕事だぞ?!」

コト、くるくるしながら

コト 「今度は踊るポンポコリンにしようかな?」
服部 「ごめんなさい。」
上底 「それ聞きたかったな。」
服部 「そうだ、上底君。さっきのサソリってのはなんだ?」
上底 「え、あ〜、それね…」
コト 「え?それは衝撃的!」
上底 「うわしまった、油断して読まれた!」写真
服部 「なんなんだ?」
コト 「あのね、サソリっていうのは実は…」
上底 「待て待て!それは俺からちゃんと話すから。」
瀬名 「上底さん。」
上底 「仕方ないよ。逆に知っておかなきゃならない状況だし。瀬名ちゃんみんなを集めてくれる?」
瀬名 「わかりました。」

全員上手に向かう。ミーだけ立ち止まり独り言。

ミー 「旦那がお父さんって事は…サソリって…」

ミー、みんなを追うように上手にハケる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

<前一覧次>


トップページ > ページシアター > スパイシー・エージェンツ > シーン15 【公演データ