△ 「スパイシー・エージェンツ」シーン1


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字幕「2031年 WHPO日本支部」
明転すると下手から上底友吉が入って来る。何かに気付き中央の物陰に隠れる。上手からから角田一郎が歩いて来る。通り過ぎた角田に上底が後ろから声をかける。

上底 「妖怪どわすれ!」

角田、立ち止まり上底を見る。

角田 「その呼び方はやめろって。」
上底 「角田ちゃ〜ん!お久!」
角田 「久し振りだな上底。支部長の代理だって?」写真
上底 「まあね。それよりどうよ?公安からこっち移って来た感想は?」
角田 「やることはあまり変わらん。」
上底 「相変わらず人の記憶消しまくってる?」
角田 「それが俺の仕事だ。君はいつアメリカから?」
上底 「ついさっき。あ、聞いたよ、今度は角田ちゃんがアメリカ行くんだって?」
角田 「ああ、用事を済ませたらすぐに帰って来るがな。」
上底 「石倉愛ちゃんのコールドスリープだろ?」
角田 「俺は支部長と護衛係だ。」
上底 「フロリダだよね?いいな〜。ついでにマイアミビーチでバカンス?」
角田 「残念ながら、あの子を送り届けたらすぐにアトランタの本部だ。」
上底 「ああ、なんか今、世界中の精鋭が本部に集められてるみたいね。」
角田 「みたいだな。」
上底 「さすが角田ちゃん。トップレベルの妖怪だもんなぁ。」
角田 「トップレベルの能力者の皮肉か?」
上底 「いやいや、マジで褒めてるって。」
角田 「褒めても何も出んぞ。」
上底 「え〜っ?なんか出してよ〜。」

角田、ため息。

上底 「え?ため息?」
角田 「わざわざ精鋭の君が日本に来たって事は、支部長代理とは別に極秘の任務があるな?」

上底、周りを気にしながら角田を呼び寄せに耳打ち。

上底 「実はね…本部長に『東京バナナ』買って来いって言われてね。」
角田 「そりゃまた大層な任務だ。」
上底 「…ウソだよ。」
角田 「わかってるよ。」
上底 「あ、でも教官はやるよ。」
角田 「教官?あぁ、新人研修のか?」
上底 「ついに入ってくるんだよな、服部麻美。」
角田 「ああ。上は未だにもめてるがな。」
上底 「ま、これも運命だ。」
角田 「…運命…かもな。じゃ、俺の留守中、色々任せた。」
上底 「任された。」

角田下手へ、上底上手へハケる。中央からムーン、ローズ、スマート、白衣姿の瀬名周二が出て来る。

ムーン 「助かるよローズ主任。なんせうちの新人達は、超能力は一人前でもエージェントとしては素人以下だ。君たち公安のエージェントの力で心技体、全てを鍛えてやってほしい。」写真
ローズ 「喜んで協力します。ムーン支部長。」
ムーン 「ありがとう。スマート君もよろしくな。」
スマート 「もちろん。支部長はいつあちらに?」
ムーン 「三日後だ。私の代理の者が今日こちらに到着する。色々協力してやってくれ。」
スマート 「はい。」
ムーン 「能力者についての質問は瀬名先生に。」
ローズ 「宜しく。」
瀬名 「こちらも、公安については何も知らないので。」
スマート 「知られないようにするのが公安の仕事ですから。」
瀬名 「確かに。」
ムーン 「それでは失礼。」

4人、会釈。ムーンと瀬名が上手へハケる。ローズの顔色がかわる。

スマート 「面白くなさそうですね、主任。」
ローズ 「あなたは面白いの?」
スマート 「ま、ある意味。」
ローズ 「これは我々にとっての脅威よ。」
スマート 「恐らくは。」
ローズ 「しかも今度の新人の中に(写真を取り出す)…サソリの娘がいる…」
スマート 「気持ち悪いほど母親似ですよね。しかし、本人は母親を知らないんですよね?」
ローズ 「さあどうだか?化け物の子だし。」
スマート 「あまり大きな声で言わない方が。ここはアウェイですよ。」
ローズ 「化け物の巣でしょ。」写真
スマート 「とにかく、仕方ないですよ。上の方針は変わらないんですから。」
ローズ 「フッ…」
スマート 「ん?何か企んでます?」
ローズ 「さあ?戻るよ。」

ローズ、下手にハケる。

スマート 「あ〜あ〜。も少しスマートに行きましょうよ。」

スマートも追うように下手にハケる。ハケ始めたら暗転。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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