△ 「心海のサブマリナー」シーン10


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根本、石川が出て来る。その後を追う様に有沢が出て来る。

根本 「ええ、確かにお気持ちはお察しますよ。」写真
有沢 「お二人は事情をご存知なんでしょ?」
根本 「はい。当然我々も困惑しています。」
有沢 「だったら…」
石川 「それでも、上の命令は拒否できない。」
有沢 「今回の報酬はかなり高額ですよね?いつもなら取り合いになるのに…」
石川 「あのポセイドンが瞬殺されたんだ。みんな引くだろ。」
根本 「有沢さん。我々も出来るだけ配慮しますから、ここはどうか…」
有沢 「でも私は…」
根本 「そろそろ行った方が。」
有沢 「え?」
石川 「もう、来るよ彼。」
有沢 「え、うそ。」
石川 「会ってく?」
有沢 「失礼します。」

まほろば、光彦、ささがに(クンクン匂いを嗅いでいる)が来る。有沢慌てるが、石川に促され反対口から去る。

まほろば 「よろしいですね?」
光彦 「え?うん。あのさ、一ついい?」
まほろば 「はい?」
光彦 「誰これ?」
まほろば 「ささがにです。」
光彦 「え?…かに?」
ささがに 「かにの一種じゃないのね〜。」
まほろば 「地獄のエージェントです。」
光彦 「地獄?!」
まほろば 「邪念が大好物でね。皆さんのポイントを減らすのが仕事です。」
光彦 「え?」
まほろば 「お気を付け下さい。油断すると地獄に連れてかれますよ。」
光彦 「なんでそんな危ない奴がここに?!」
まほろば 「地獄との協定でね。」
光彦 「なんだよそれ。」
ささがに 「宜しくね〜!」写真

ささがに、握手を求めるが、光彦思わず出した手を慌てて引っ込め愛想笑い。

まほろば 「失礼致します。」
根本 「どうぞ〜。」

まほろば、光彦、ささがに、部屋に入る。

まほろば 「連れて参りました。ほら、ご挨拶。」
光彦 「初めまして。神光彦と申します。」
根本 「バッカス号艦長、根本です。」
石川 「副長の石川だ。宜しく。」
まほろば 「実はこの石川さん、と界一長くここに留まっている人なんですよ。」
光彦 「と界一長くって?どのくらい?」
石川 「300年くらいかな?」
光彦 「300年?!!どんだけ悪い事したんですか?」
まほろば 「違いますよ、彼らはとっくに天国へ行けるポイントを稼いでます。でも、そのポイントを部下にあげまくっているんです。」
光彦 「ポイントってあげられるの?」
まほろば 「後から来た方には。」
光彦 「天国に行きたくないってこと?」
まほろば 「そうではない様ですが、色々とご心情が。」
光彦 「へぇ。」
まほろは 「そうそう、この石川副長、あなたも知ってる方ですよ。何を隠そうこの方は、あの石川五右衛門なんです。」
光彦 「い、石川五右衛門?!」
石川 「はい。」
光彦 「え?本物の石川五右衛門?!」
石川 「はい。」
光彦 「あの、何でも真っ二つに斬っちゃう…」
石川 「違うよ。」
光彦 「つまらぬものを斬っちゃう…」
石川 「違うよ。」
光彦 「こんにゃくだけは斬れない…」
石川 「古の大泥棒の方ね。」
光彦 「あ、ああ…ですよね。ははは。」
根本 「石川くん、もう、世代的にしょうがないよ。」
石川 「ですよね。ははは。」
まほろば 「では早速顔合わせに。」

5人ハケる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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