△ 「あげぞこ先生」シーン40


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字幕「半年後 夜頭学園特殊学校 校長室」
明転すると、校長室に校長と副校長。そこに御厨と浜崎が入って来る。

浜崎 「失礼します。」写真
副校長 「あ〜、お久しぶりです。」
浜崎 「ご無沙汰してます!」
副校長 「御厨さんも。あれから色々大変でしたでしょう?」
御厨 「ええ、でも、それは皆さんも。」
校長 「政府もこの半年で随分…」
御厨 「能力者の存在はまだまだ極秘ですが、あなた方への理解はかなり。」
浜崎 「結構御厨さんの尽力もあるんですよ。」
御厨 「余計な事言うな。」
浜崎 「失礼しゃっした。」
御厨 「皆さんお変わりなく?。」

ここから二元舞台。先生達次々に出て来ては去る。

副校長 「ええ、東先生が復帰されたので上底先生は島を去りましたが、畑先生、内田先生、福来兄弟、皆さん元気にやってますよ。っていうか、あれ以来、磨きがかかっている様です。」
校長 「教育実習生だった宇崎先生も、四月からここに赴任しています。」
宇崎 「一平君、給食中も空中浮遊はダメです!降りて下さい!もお〜!」
浜崎 「瀬名先生も復帰されたって…」
副校長 「そうなんですよ。実は上底先生が「先天性の障害を治す能力者」をみつけて来て下さって。」
浜崎 「え?じゃもう耳が…」
副校長 「はい、普通に聞こえます。」
御厨 「じゃ、能力者じゃなくなった?」
校長 「そうなのですが、本人のたっての希望で、まだこの学校で教えてもらっています。」
瀬名 「一平!降りないと明日から給食抜き!矢的!にんじん残さない!望!スプーン曲げない!」
宇崎 「お流石です。」
御厨 「そうですか…そう言えば服部先生は?」
副校長 「随分熱い先生に戻られましたよ。まだ少し、ウソには厳しいですが。」
校長 「今日はお休みを取られて、娘の麻美ちゃんと自転車の特訓をされてます。」
浜崎 「自転車?それじゃ麻美ちゃんの障害も?」
校長 「はい。」
(麻美) 「お父さん、ちゃんと持っててね。」
服部 「持ってるって。ほら行け。」
(麻美) 「うわぁ怖い怖い。」
服部 「怖くないって。ほらちゃんと持ってるから。」
(麻美) 「ほんとに持ってる?」
服部 「持ってるって。(手を離す)」
(麻美) 「ウソじゃない?」
服部 「ウソじゃないて…」

服部、ニコニコして娘を見送るが、急に何かに気付いた様に

服部 「ウソ…ついていいウソ…」

服部、ハケながら

服部 「麻美!乗れてるよ!ほら!乗れてる!」
浜崎 「事実は映画より奇なり。ですね。」
御厨 「しかし、上底先生が何とか機構のエージェントだったとはね。」
浜崎 「日本の公安じゃ全く調べがつきませんでしたよ。」
副校長 「当然です。」
浜崎・御厨 「は?」
校長 「WHPO何て組織、存在しないんです?」
浜崎 「え?え?じゃ、あれは…」
校長 「霧原を錯乱させたり、みんなを安心させるために、私と考えた大ウソ。ハッタリです。」
浜崎 「ほんまもんの上底だったんですね…。」
御厨 「じゃ、奴の正体は?…」
校長 「ただの私の古い教え子。でも謎が多い子でね。」
副校長 「その正体は、妖怪。」
浜崎・御厨 「妖怪?」
副校長 「…なんつって。」
浜崎 「もう、副校長先生…」
校長 「でもきっと今頃どこかで…」

上底が中心に来る。他のみんなも周りから続々覗き込む様に現れる。上底、ギターを持っている。

上底 「先生「もらい泣き」って歌が好きでさ。知ってる?一青窈。知らないか。特にさ、こう、お酒飲みながら聞くと、あの歌にもらい泣きしちゃうんだよね。」写真

みんな、だんだん不振な顔になり、上底を見る。

上底 「でも飲んでるうちにたまに飲まれちゃう事があってさ。そりゃもうひどい事になっちまう。そんな時生まれた歌。聞いて下さい。 「もらいゲロ」♪げえぇ〜い〜…」
みんな 「上底先生!」

上底、みんなの声が聞こえたかの様にびっくりし、咳払いをする。

上底 「え〜っとそれじゃあ…授業を始めちゃいま〜〜っす!!」

上底はノリノリ。他のみんなはあきれ顔のまま。ゆっくり暗転。

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