トップページ > ページシアター > あげぞこ先生 > シーン31 【公演データ】
明転すると体育館。上底、宇崎、畑、福来、浜崎、がいる。
浜崎 「警察署壊滅なんて、ありゃターミネーターですよ。」
福来 「畜生、直也まで…」
畑 「長いトイレだなとは思ってたけど…」
御厨、出て来る。
浜崎 「御厨さん、花村さんは?」
御厨 「たいした事は無い。破片で頭打って気を失ってるだけだ。」
宇崎 「良かった。」
上底 「事態は良くないな。このままじゃその霧原っていう勘違い野郎のせいで、世界中大混乱になっちまうぞ。」
畑 「副校長がカギを開けられたら終りね。」
上底 「どれくらいかかるんだ?」
福来 「直也の力で副校長のカギを開けるとすると、どんなに早くても10時間はかかるかと。」
上底 「けっこうかかるね。」
福来 「今、夜中の2時過ぎだから昼の12時前位がリミットですね。」
畑 「それまでにいい作戦を…」
福来 「あっちの切り札は副校長と服部先生にしぼられます。」
上底 「でも副校長はカギかかってんだろ?」
畑 「ならもう、選択肢は服部先生を止めるしないじゃない。」
福来 「でも、先生も操られています。目覚めさせるのには相当刺激が必要ですよ。大きく心を動かせる様な。」
宇崎 「…そうだ!教え子達!」
上底 「教え子達?」
宇崎 「こないだの作戦でボツになっちゃったけど、今までの教え子達にメッセージビデオをもらうんです。」
福来 「メッセージビデオ?」
畑 「また突拍子もない事を…」
宇崎 「こないだ、先生の教え子の住所リストを作ったんです。この場所に瞬間移動させてもらって…」
畑 「ちょっと待って、ウッっちゃんいないとカメラは無理よ。」
宇崎 「本物のビデオカメラじゃなくて、福来先生を送るんです。」
福来 「僕を?」
宇崎 「先生、視覚の記憶と転送ができるんですよね?」
福来 「できるけど、転送できる範囲はせいぜい2〜3百メートルで…」
上底 「あっちで記憶しまくって、こっちに帰って来てから服部ちゃんに転送すると。」
宇崎 「そうです。」
福来 「服はどうするんですか?すっぽんぽんはいやですよ。」
上底 「今度はわいせつ物陳列罪で捕まるね。」
福来 「またそっち系か。」
宇崎 「大丈夫です。まずこの住所に近い洋服屋に送ってもらうんです。」
福来 「え?行く先々で着替えるの?!見つからないように?」
宇崎 「そのための千里眼でしょ?」
福来 「いや、しかし、僕だけで行ってもただの頭のおかしい人間って思われて…」
宇崎 「私も行きます?」
福来 「え?」
上底 「でもすっぽんぽんだよ?」
宇崎 「みんなを救うためなら福来先生に見られるくらい覚悟の上です!」
畑 「見上げた根性だわ!」
福来 「つか、また僕が見る事前提だし。」
上底 「待てよ連絡はどうとる?」
畑 「あ〜そうだ、テレパシー送れる人がいないじゃん…」
浜崎 「一人います!ここに!」
浜崎、御厨を指さす。
上底 「そっか!さっき能力もらったんだよな!」
浜崎 「御厨さん。」
御厨 「俺の能力は小さ過ぎる。」
上底 「ダイジョ〜ヴ!そんな時のために私のとっておきの能力がある!」
宇崎 「上底先生の能力?」
畑 「そういえば、変な替え歌作る能力しか知らないわ。」
上底 「私の能力はズバリ、底上げです!」
みんな 「は?」
上底 「人の能力を何倍にも増幅できるのだ!だから御厨ちゃんのテレパシーもパワーアップできる!」
福来 「すごいけど、もっと早く言ってくれても…」
上底 「切り札は最後までとっておくものだよ!」
浜崎 「カリオストロ伯爵!」
御厨 「協力してやってもいい。でもなお嬢ちゃん。その教え子達が服部を慕っているって保証はあるのか?」
宇崎 「あります!教え子の私が保証します!」
福来 「でも、瀬名先生はあんまり…」
宇崎 「瀬名先生だって、ああ見えて服部先生を慕ってるはずです!」
畑 「根拠より自信って感じね。」
御厨 「…わかった。お嬢ちゃんを信じよう。」
浜崎 「お、なんか人が変わったようだ。」
御厨 「うるさい。」
畑 「住所録ちょうだい。後、地図ある?」
浜崎 「iPadあります。」
畑 「サンキュー。シミュレーションに2時間もらうわよ。」
見せ暗転。全員ハケる。
(作:松本仁也/写真:はらでぃ)