△ 「ヴァンパイア・ブリード」シーン20


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照明が変わると、舞台端に工事作業員の源さんが酔って寝ている。そこにドックと太陽が出て来る。

ドック 「こっちでがんす。今みんな呼んでくるからちょっと待ってるでがんす。」
太陽 「はい。」写真

ドック、部屋を出る。太陽、源さんに気がついて近づく。

太陽 「この人も妖怪かな?」
源さん 「ん?お?なんだぁねちまったぁ。ん?…おう、おめーも飲みに来たんか?」
太陽 「え?いや、ボク未成年なんで。」
源さん 「未成年?未成年がこんな飲み屋来ちゃだめだよぉ。」
太陽 「飲み屋?」
源さん 「おやじぃ〜!一ノ蔵もういっぱいちょうだい!おやじぃ〜!お〜い!あれ?ここどこ?」
太陽 「あの…あなた妖怪ですよね?」
源さん 「え?妖怪?オレが妖怪?なんか用かい?なんつって、がははははは!!」
太陽 「…ただの酔っぱらい?」

太陽、小ビンを出す。

太陽 「あれ?やっぱり反応してる。この人自分が妖怪だって気付いてないのかな?」
源さん 「(突然吐く)おえええええっ!」
太陽 「あ〜あ〜あ〜!」
源さん 「…すっぱい。口すっぱい。すっぱいは成功の元なんつって、おえええええ!」
太陽 「ちょっと待ってて下さい。今水もらって来ますね。」

太陽、部屋を出ようとするがドアが開かない。

太陽 「あれ?開かない。すみませ〜ん!…あれ?なんだこの臭い?…煙?まさか…」

ドックが入って来る。

ドック 「二人とも無事でがんすか?!」
太陽 「どうしたんですか?」
ドック 「これはその…料理を失敗したでがんす!」
太陽 「え?君、料理得意なんじゃ…」
ドック 「とにかくここは煙いですから、別の部屋に行くでがんす。ささ!」
太陽 「はい。」

ドック、二人を連れて出る。

源さん 「なんだ?煙いな?なんか焼いてんのか?」

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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