△ 「ヴァンパイア・ブリード」シーン5


トップページ > ページシアター > ヴァンパイア・ブリード > シーン5 【公演データ

<前一覧次>

字幕『19時45分 東京メトロ浅草駅 第4地下倉庫。』
明転。中央にドールが立っている。奥の壁にフランクが寄りかかってipadをいじっている。

ドール 「やっぱ東京っていいよねぇ。地下だらけで。ヴァンパイアには天国みたいな都市だよ。」写真
フランク 「東京だけで三千人のヴァンパイアが生活してるからな。」
ドール 「ボク、人間は嫌いだけど、人間が作った物は結構好きだよ。町とか乗り物とか遊園地とか。」
フランク 「悪趣味だな。ま、知恵はそこそこある動物だってのは認めるが。」
ドール 「フランクだってそれ使ってんじゃん。」
フランク 「これはipadじゃない。」
ドール 「え?そうなの?」
フランク 「俺が作った妖気コンピュータ。怪しまれない様に外見を似せてるだけだ。」
ドール 「へぇ。妖気で動くコンピューターかぁ。妖気だからYpadだね。」
フランク 「ふっ。Ypadね。いいネーミングだ。」

カーミラ登場

カーミラ 「お疲れ様。」
ドール・フラ 「カーミラ様!」
カーミラ 「見つかりましたか?」
フランク 「はい、猫とゲゲゲを。」
カーミラ 「ドックが時止めの娘を見つけたそうです。」
ドール 「じゃ、全員見つけたね。」
カーミラ 「ドックは手強そうと言ってましたが。」
フランク 「確かに妖気の数値はかなり高いですが、知能はそれほど高くなさそうです。」
ドール 「多分バカだよあいつら。」
カーミラ 「でもあなどらないで。以前、恐怖の大王を倒した連中ですから。」
フランク 「しかしなぜあいつらは我々の邪魔を?」
カーミラ 「わかりません。でもたんぽぽとグルだってことは確かです。」
ドール 「好きだったのになぁ、たんぽぽさん。まさかボクたち処刑部隊のトップがクーデターの首謀者だったなんて。」
カーミラ 「私もショックでした。彼女が子供の頃から知っていましたから。でももう、彼女はいない…」
フランク 「ひまわりと共に海の藻くずか。」
ドール 「悲しいよ。ひまわりまで死んじゃうなんて…」
カーミラ 「ひまわりは最後まで立派な戦士でした…」

奥から声

ドック 「カーミラ様〜っ!」写真

ドック、走り込んで来る。

ドック 「カーミラ様大変です!」
カーミラ 「どうしましたドック?」
ドック 「見つけたんです!」
ドール 「残りの二人ならボクたちが見つけたよ。」
ドック 「違う!四天王じゃない!」
フランク 「じゃ誰を?」
ドック 「特効薬だ!」
ドール 「ええっ?!」
カーミラ 「本当ですか?!」
ドック 「あの匂いは間違いありません!」
フランク 「特効薬までこの町にいたとは。」
ドール 「超ラッキーだね!」
カーミラ 「ブラムは?」
ドック 「大丈夫です。監視下にあります。」
カーミラ 「これは思ったより早く儀式ができそうね。フランク、今月の月は?」
フランク 「満月は一昨日。20日の午前6時21分。」
カーミラ 「儀式の期限は満月から丸三日。うまく行けば明後日の早朝までに、全て解決する。」
ドール 「凄〜い!」
ドック 「後は呪文と、四天王の始末ですね。」
カーミラ 「ええ、作戦を練り直しましょう。」

カーミラを先頭に、全員ハケる。暗転。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

<前一覧次>


トップページ > ページシアター > ヴァンパイア・ブリード > シーン5 【公演データ