△ 「トワの宇宙」シーン33


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佐倉 「ホーク・アイ、ステーションに到着。」
大統領 「リミットは?」
佐倉 「後15分」
トワ 「頑張れアイちゃん!」写真

ライアン、戻って来る

ライアン 「コンテナの正体がわかったぞ!」
大統領 「中身は?」
ライアン 「二千体のジニアスカプセルです!」
樋口 「カプセル?」
ライアン 「それと、おまけが一体。」

フォックスがハルに肩を貸して入って来る。

樋口 「ハル!!」
ハル 「師匠。」
トワ 「ハルさん!」
ルナ 「ああ!なんと!もう、ああ、もう、奇跡の大バーゲンだこりゃ!」
大統領 「あなたがカプセルを?」
ハル 「いいえ、グリフォンの指示です。爆発前に頼まれました。」
大統領 「姉さんの…」
ハル 「お蔭で私も助かりました。」
大統領 「本当に良かったわ。」
樋口 「ハル…すまなかった…」
ハル 「師匠。私も謝らなくてはならない事があります。」
樋口 「え?」
ハル 「黙っていた事があります。きよしさんの事です。」
樋口 「きよし?!何かわかったのか?」
ハル 「はい。実は…実はきよしさんは…」
樋口 「どこだ?どこにいるんだ?」
ハル 「…120年前に亡くなっていました。」
樋口 「え?…120年前って…だってカプセルに入ったんじゃ?」
ハル 「いいえ、入っていません。きよしさんは、ジニアスではなかったんです。」
樋口 「え…そんな…そんなバカな…」
ハル 「コールドスリープを拒否していた貴方を、なんとか眠らせようと嘘をついたんです。」
樋口 「嘘を…」
ハル 「貴方に生きてもらうためです。」
樋口 「嘘…だったのか…」
ハル 「その後、彼は芸人をやめ、作家として活躍し、結婚して5人も子供を…」
樋口 「良かった…」
ハル 「え?」
樋口 「病気じゃ無かったんだ…きよしはあの後…幸せな人生を送ったんだ…」
ハル 「はい。103歳の大往生でした。」写真
樋口 「良かった…本当に良かった…」
ハル 「師匠…」
樋口 「…ハル。もう、師匠とか弟子とかやめにしよう…」
ハル 「…やっぱり、駄目ですか…」
樋口 「ああ。新しい…相方だからな。」
ハル 「…相方?!それじゃ!」
樋口 「今日からお前も芸人だ。」
ハル 「…やった!ありがとうございます!ありがとうございます!」
樋口 「その代わり条件がある。」
ハル 「何でしょう?」
樋口 「しゃべり方…前のに戻して。」
ハル 「え?…」

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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