△ 「トワの宇宙」シーン31


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佐倉 「ガンマ地区切り離されました!」
大統領 「姉さん…」
佐倉 「アルファ地区、マニュアル操縦に切り替えます。」
ランゼ 「オペレーションなら任せてちょ!」
ブル 「僕!操舵できます!」
佐倉 「助かります。」
フォック 「戦艦もか?」
ブル 「余裕っす!」
佐倉 「ガンマ地区から通信です!」
大統領 「姉さんから?姉さん?姉さん?グラディウスは?どうだったの?」

音楽、『見上げてごらん夜の星を』のインストがかかる。

GR2 「ミーちゃん、ごめんなさい。元より説得は無理だとわかっていたの。」写真
大統領 「姉さん?」
GR2 「今からガンマ地区を爆破します。」
アイ 「なんですって?」
トワ 「それじゃ…」
大統領 「待って姉さん!」
GR2 「私たちが正しかったのか間違っていたのかはわかりません。わかっているのはもう私たちの役目は終わったとういう事。次はあなた達の時代だと言う事。」
大統領 「姉さん。」

GR2声が幼いときのケイに変わる。

ケイ 「…ミーちゃん、みんなの事、地球の事、お願いね。」
大統領 「姉さん…」
ケイ 「…トワねーちゃん…ありがとう。」
トワ 「ケイちゃん…」
ケイ 「…おやすみなさい…」
大統領 「…おやすみ…姉さん…」

爆発音。

佐倉 「ガンマ地区、消滅。レーダーから消えました。」

樋口、息を切らせて入って来る。

アイ 「樋口。」
樋口 「ガンマ地区が…消滅って…」
アイ 「自爆したの…」
樋口 「そんな…ハル…ハルが…」
アイ 「まさか…」
樋口 「僕を守るために…ガンマ地区に…僕は…なんてバカな事を…」

樋口、へたり込む。

ランゼ 「何これ?変なの出た!」
佐倉 「…これは?!…大統領!大変です!」
大統領 「どうしたの?」
佐倉 「トラップです!グラディウスが罠を!」
大統領 「罠?」
佐倉 「フェニックス!核爆弾です!この地区にしかけられています!」
大統領 「なんですって?」
佐倉 「恐らくグラディウスの死と連動するように仕掛けられていたんです!既にカウント・ダウンが始まっています!残り3分弱!」
アイ 「3分?!」
大統領 「解除は?」
佐倉 「フェニックスは解除不可能と言われています!」
ライアン 「脱出方法は?」
大統領 「3分ではとても…」
佐倉 「残り2分!」
クラウド 「今度こそ駄目か…」
シンプ 「神よ!」
ランゼ 「一人だけ解除できる人いるよ!」
レパード 「誰?」
ランゼ 「ルパン十三世!」
ミキ 「こんな時何を…」
ランゼ 「ルパン様はフェニックスの解除に成功した唯一の人間よ!」
小嶋 「ここに居なきゃ意味ないだろ!」
ランゼ 「いるよ、この中に。」
小嶋 「何?」
フォック 「この中にルパンが?」
佐倉 「残り1分を切りました!もう無理です!」
ランゼ 「お願いルパン様!私たちを助けて!」
全員 「ルパン様!!」

しびれを切らした様にランゼを押しのけ、オペレーションを変わるルパン。

スー 「あ〜っ!もう!」
全員 「えええっ?!」
ルナ 「お〜っと!またまた大スクープです!」
ジャック 「…貴方が…ルパン?…」
スー 「黙ってろ!」

黙々とキーボードを打つスー。

ミキ 「知らなかった…」
フォック 「仲間なのに?」

ミキうなずく。

佐倉 「残り30秒!」

みんな口々に祈る。

スー 「これでどうだ!」

スー、最後のクリックをする。暫し沈黙。解除アラームが鳴る。

スー 「解除成功…」

皆、歓喜に沸く。

佐倉 「凄い…フェニックスを50秒で…人間業じゃない…」
ランゼ 「ありがとう!ルパン様ぁ!」
スー 「わざとらしい…ずっと前から知ってたんでしょ?ハマーさん。」
全員 「えええ〜っ?!」
ルナ 「またもや!またもや大スクープ!わたくし、もうお腹いっぱいです!」写真
ランゼ 「やっぱりバレてた?」
スー 「ええ。逮捕は?」
ランゼ 「する訳ないじゃん。命の恩人なんだし。それに私実は…」
スー 「ハマー二世。刑事ハマーはあなたのお父さんよね?ランゼ・ハマサキさん。」
ランゼ 「そこまで知ってたか。そ、私刑事じゃないの。でもそっちもホントは十四世なんでしょ?スーザン・ラウールさん。」
スー 「お互いバレバレだったって事ね。」
ミキ 「私、リーダーなのに、仲間外れな感じ…」
フォック 「外れてて良かった…」
佐倉 「ちょっと待って下さい!」
大統領 「またなにか?」
佐倉 「大変です!これは…本命のトラップです…」
大統領 「まさか…これは…」
キム 「惑星ワープ計画。」
アイ 「惑星ワープ?」
キム 「星ごと何億光年も旅をしようと言う計画。」
大統領 「姉さん達夫婦がずっと行っていた研究。」
レパード 「まだ宇宙船のワープ航法も実用化していないのに?」
大統領 「このガニメデがその実験用の星だったの。システムはまだ生きている。」
キム 「グラディウスは人類を守りたかったんじゃない。神になりたかったのよ。だから自分が死んだ後、人類も消すつもりなの。」
ライアン 「いったい何を仕掛けたんだ?」
キム 「ワープ先の座標は地球。」
ライアン 「何だって?!」
キム 「ガニメデを地球にぶつける気よ。」
レパード 「止める方法は?」
佐倉 「ガニメデに戻ってシステムのプログラムを止めるしかありません。」
ライアン 「リミットは?」
佐倉 「30分。どう考えても不可能です…」
スー 「さすがに今度ばかりは私でも無理ね。」
クラウド 「そんな…婆ちゃんが…」
アイ 「そうだ!まだ手はある!」
大統領 「なに?」
アイ 「ベータ格納庫の戦闘機よ!」
ブル 「ヴァイパー2200っすね!」
アイ 「あれならガニメデまで5分よ!」
大統領 「頼める?」
アイ 「他に手はないわ。」
トワ 「愛ちゃん…」
アイ 「行って来る。」
ジャック 「手伝います!」
アイ 「間に合ってます。」

アイ、ダッシュでハケる。ジャックもハケる。

佐倉 「後方から飛行物体!」
大統領 「今度は何?」
佐倉 「大型のコンテナです!」
大統領 「コンテナ?」
佐倉 「収容しますか?」
大統領 「お願い。ライアンさん、見て来てくれるかしら?」
ライアン 「了解。」
フォック 「おともします!」
ライアン 「頼む。」

ライアン、フォックハケる。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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