△ 「1/4 breed」シーン29A


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再び、キタロウ。

ツムジ 「爆弾止めちゃいましたか。仕方がない、出直して来ますか…あれ?何これ。」舞台写真

ツムジ、体の動きが変になる。

ツムジ 「何ですか、これは…『よくもクチサケを…』何??『許さない』そんなバカな!『キタロウ!』」
キタロウ 「ツムジ、ツムジか?!」
ツムジ 「ツムジにこんな力が『キタロウ、お願い』まだ残ってるなんて『私を斬って』ありえない!」
里子 「ツムジさん?」
ツムジ 「『早く…』ううっ、くそぉ『キタロウ!』」
キタロウ 「くそぉぉっ!」

キタロウ、ツムジを斬る。倒れるツムジ。キタロウも倒れる。

里子 「キタロウさん。(キタロウに駆け寄る)」舞台写真

ネムと今井、駆けつける。

ネム 「キタロウ!」
今井 「キタロウさん!」
ツムジ 「キタロウ…」
キタロウ 「ツムジ…すまない。」
ツムジ 「キタロウ…。クチサケは?」

里子、クチサケを抱え起こす。

クチサケ 「ツムジさん。最後まで私はバカでした。こんなダメ妖怪の私をいつも励ましてくれて嬉しかった。だからあなたに一言お礼を言いたかった。それだけなのに…。大王なんかに手を貸して…みんなをこんな目に遭わせて…最後はありがとうって言いたかったのに…またごめんなさいになっちゃいました…」
ツムジ 「クチサケ、もういい…」
クチサケ 「うううっ…」
ツムジ 「クチサケ!」舞台写真
クチサケ 「…私…」
ツムジ 「…きれいよ…心もね。」

クチサケ、微笑み息を引きとる。

里子 「クチサケさん。」
ドワスレ 「さあ…帰ろう。大王も消えたことだし。後始末は私に任せてくれ。」

ドワスレ、立ち上がるが

キタロウ 「まだだ。」
ドワスレ 「え?」
キタロウ 「まだ、大王は消えていない。」
ドワスレ 「どうして?」
キタロウ 「それは…(突然剣をドワスレに振り)俺がツムジにとどめを刺さなかったからだぁぁぁぁっ!」

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

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