△ 「1/4 breed」シーン20A


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車内。

ドワスレ 「大王はてっきりお前達を消しに来るものだと思っていた。だがやつは最初からお前らの力を利用するつもりだったんだ。キタロウ、お前一人でやれるか?」舞台写真
キタロウ 「あぁ。」
ドワスレ 「相手がツムジとネムでもか?」
キタロウ 「やるしかないだろう。」
今井 「でも、もしキタロウさんまで大王に取り込まれたら…」
ドワスレ 「あっという間にこの世は終わる。」
里子 「何か出来ないんですか?」
キタロウ 「え?」
里子 「私にも妖怪の血が少しは…」
キタロウ 「君のその血がどんな血か知ってるかい?」
里子 「いえ。」
キタロウ 「刃使いの血と言ってね、最強クラスの力を持った妖怪の血だ。肉体だけでなく、魂までも切り刻み、とどめを刺す。純粋な血を引いていれば、大王とでも互角に渡り合えたかもしれない。」
里子 「なら私でも…」
キタロウ 「無理だ。君は人間の血が多すぎる。ハーフのお父さんでさえ大王にとどめを刺せなかったんだ。」
里子 「でも…」
ドワスレ 「着いたぞ。」

全員車から降りる。
キタロウ、ドワスレの2人がよろめく。

キタロウ・ドワスレ 「うっ!」
今井 「どうしました?」
ドワスレ 「とてつもない妖気だ。」
キタロウ 「妖怪アンテナ、バリ三だ!」
里子 「見て、人が倒れてる。」
ドワスレ 「ネムの力だ。ここの職員全員眠らされている。」

突然風が吹く。全員たじろぐ。

今井 「何だ、この風?」
キタロウ 「ツムジだ。ツムジの力だ。」
ドワスレ 「始めやがったか。」
キタロウ 「あの建物の屋上の方だ。」
ドワスレ 「今井、爆弾の方、頼んだぞ。」
今井 「はい。」
里子 「私は?」
ドワスレ 「車で待っていろ。」
里子 「そんな。」
キタロウ 「俺達を信じろ。」
ドワスレ 「行くぞ!」

3人、ハケる。
里子、3人の去った方を見つめ、立ち尽くす。
どこからか声がする。

クチサケ 「私、きれい?」
里子 「え?」

里子の後ろから、クチサケが現れ

クチサケ 「私、きれい?」舞台写真

里子、おびえて後ずさる。クチサケ、素早く駆け寄り、里子を眠らせる。

クチサケ 「もう少し、もう少しで…ツムジさん…」

クチサケ、里子を連れ去る。

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

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