△ 「1/4 breed」シーン8


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暗闇の中、里子の声。

里子 「お父さん…お父さん…」

明転する。里子、目覚める。里子の傍らでネムが息を切らしている。

里子 「今のが…」
ネム 「分かった?あれがお父さんの本当の最期の姿。」
里子 「そんな…」
ネム 「1年前、私達妖気を持つ者の中から4人が選ばれ、恐怖の大王と戦い、2人が命を落とした。それが今見たツムジと、あなたのお父さんトドメよ。」
里子 「トドメ…」舞台写真
ネム 「すぐに信じられないのは分かるわ。でもね、あなたを守る為なの。私を信じてもらうしかないわ。」
里子 「私を守るって、一体何から?」
ネム 「恐怖の大王。」
里子 「え?でもさっき大王は…」
ネム 「完全に消えてはいなかったのよ。やつはきっと私達を消しに来る。」
里子 「そんな…(ハッと気付き)お母さん、お母さんが危ない!」
ネム 「大丈夫。純粋な人間は狙われない。あなたはクウォーター。1/4妖怪の血が混じっている。例えわずかな血でもやつは根絶やしに来るかもしれない。」
里子 「…頭が痛い。」
ネム 「そうでしょうね。疲れたでしょう、もうしばらくお休み。」

ネム、里子を静かに眠らせる。

ネム 「大丈夫、必ずあなたを守るから…。」

暗転。

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

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