「ブリジニツィー」シーン27 「ブリジニツィー」シーン27トップページ > ページシアター > ブリジニツィー > シーン27 【公演データ】
明転。島袋、今井は、ピンクとレッドを背負いながらヨタヨタと入って来る。続いて木村の手にひかれて、ヴァイオレットも入って来る。全員へとへと。足を引きずったり、むせたりしながら立ち止まる。
今井 「おい、こっちにも道はないぞ！」
ヴァイオレット 「そんな…抜け穴に行く道がほとんど塞がれてるわ！」
島袋 「地道に回って行くしかなさそうだな。」
爆発音。みんな倒れ込む。
今井 「また爆発か？」
木村 「まさか本庁の特殊部隊？」
島袋 「いや、今のは入口近くの音だ。わざわざ入りにくくするわけがない。」
ピンク 「グレイの仕業よ。」
今井 「意識戻ってたのかお前？」
木村 「グレイの仕業って？」
ピンク 「グレイの奴、最初から入って来た特殊部隊を閉じ込める事まで考えていたのよ。」
今井 「しかしサットが入って来た様子はないぞ。」
ピンク 「私らだけでも殺そうってことよ。」
木村 「だったら尚更急がなくちゃ！」
ピンク 「待って。」
木村 「え？」
ピンク 「爆弾は時差式時限爆弾。1分ごとに爆発していく仕掛けよ。しかも毒ガスまでまき散らす最悪の爆弾…」
さっきより大きい爆発音。
全員 「うわあっ！！」
ピンク 「ほらね…」
今井 「さっきより近いぞ！」
ピンク 「どんどん近付いて来て、やがて生き埋めになるって事。」
木村 「冗談じゃないわ…ん？何この臭い？」
ヴァイオレット 「うっ…ガスよ！（咳き込む）」
みんな咳き込み、かがみ始める。
今井 「なんてこった…もう回ってきやがったのか…ゲッホゲッホ。」
ピンク 「もう駄目、ここまでよ…」
島袋 「最後まで諦めるな！まだきっとどこかに抜け穴への道が…」
更にでかい爆発音。
全員 「うわあああっ！！」
咳き込む声とうめき声。
島袋 「おいっ…みんな…なんて事だ…。（立つ事が出来ず、観念したかのように）こいつぁ次の爆発で終わりかもな…。人のお通夜どころじゃないか…。みんな…すまない…」
鈴木、出て来る。
島袋 「やっぱり来たか…これでやっと成仏できるな。」
鈴木 「あぁ。」
ゆっくり暗転。最大の爆発音。土砂の崩れる音。
（作：松本仁也／写真：広安正敬）