△ 「ブリジニツィー」シーン24


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明転すると木村が入って来る。

木村 「何か変なとこに来ちゃったわ。実験室か何かかしら?何これ?この機械だけ新しい…」
グレイ 「教えてやろうかお嬢さん。」

後ろから銃を向けられ手を上げる木村。

木村 「お嬢さん。…いい響きだわぁ。」
グレイ 「銃を置け。」

銃を置く木村。

グレイ 「ここはなぁ、第二次世界大戦中、日本軍とドイツ軍の共同で極秘の実験が行われていた場所さ。」
木村 「極秘の実験?」
グレイ 「複製人間のな。」
木村 「複製人間って…」
グレイ 「そう。クローン兵の計画なんて別に新しい話じゃない。俺のじいさんもここの研究員でなもとはといえば、我がナチスのものだった。」
木村 「我がナチス?…あんたもしかしてネオ・ナチの人間か何か?」
グレイ 「そうだ。」
木村 「うわぁ〜。」
グレイ 「我々の最終目的は、エイベキスタンのクローン技術で総統閣下を蘇らす事だ。」
木村 「総統閣下?それってヒットラーの事?」
グレイ 「その通り。」
木村 「恥ずかし〜い。」
グレイ 「何とでも言え。ヒットラー総統の細胞は、この60年間ずっと我々が保管しているのだ。」
木村 「そりゃ凄い。でも今更ヒットラーもないんじゃない?」
グレイ 「世界を手にするのは閣下が一番ふさわしい。オムロックなどの手に渡すわけにはいかんのだ。」
木村 「何か良くわかんないけど、一言言わせてくれる?」
グレイ 「何だ?」
木村 「そのひげダサイわよ。」
グレイ 「フッ。あの世でほざいてな。(木村を撃とうとする)」
ヴァイオレット 「その人に手を出さないで!」

ヴァイオレット、グレイの後ろから銃を構える。

グレイ 「落ち着けヴァイオレット。」
ヴァイオレット 「もう限界だわ。グレイ、早く姉さんに会わせて!」
グレイ 「今その準備をしていた所だ。」
ヴァイオレット 「またいいかげんな事を…」
グレイ 「いいかげんかどうか、これを見てから言ったらどうだ?」

ドアの開く音。女性の影が現れる。

ヴァイオレット 「…お姉ちゃん?お姉ちゃんなの?!」

ヴァイオレット、姉さんに近付こうとするが、グレイが姉さんを人質に取る。

グレイ 「おぉっと待った!」
ヴァイオレット 「何するの?」
グレイ 「ヴァイオレット、お前にはまだしてもらう事がある。」
ヴァイオレット 「何?」
グレイ 「刑事達を始末して、ディスクを奪い返すんだ。」
木村 「彬やめて。」
グレイ 「手始めは、そこのお嬢さんからいこうか?」

ヴァイオレット、ゆっくり木村に銃を向ける。

木村 「彬…」舞台写真

ヴァイオレット、素早い動きで振り向くと、グレイの首にカードが刺さる。

グレイ 「ぐあっ!」

その隙にヴァイオレットが姉に近付く。

ヴァイオレット 「お姉ちゃん!今のうちに…」

その瞬間、姉がヴァイオレットに銃を向ける。

ヴァイオレット 「…お姉ちゃん?」
グレイ 「ハハハハ!悪いが姉さんは俺の命令しか聞かん。」
ヴァイオレット 「そんな…」
グレイ 「さあ、早いとこ始末しろ。」
ヴァイオレット 「お姉ちゃんやめて。私よ、彬よ…」
グレイ 「早く始末しろ!」

また銃をに木村向けるヴァイオレット。

ヴァイオレット 「ごめんなさい…」

銃声。グレイの肩に当たる。

グレイ 「うあっ!」

今井、登場。

今井 「木村さん!」
木村 「今井!」
グレイ 「くそっ!行くぞ!(姉を連れて逃げる)」

ヴァイオレットへたり込む。木村、彬を抱える。

木村 「行きましょう、彬。」

全員、ハケる。

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

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